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『MarkeZine』(雑誌)

第108号(2024年12月号)
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【特集】進むAI活用、その影響とは?

AI時代に「ネット検索×消費行動」はどう変わる?今後は「他社との優劣」よりインサイト把握が重要に

 2024年はAIのフェーズが「驚きの技術」から「社会への実装」に移行した歴史的な年とも言われている。こうしたAI技術の普及が消費者の情報探索にどのように影響を与えるのかについて、Googleでは2024年1月から18ヵ国1万8,000人以上を対象に4つの調査分析を実施した。本稿では、グーグル合同会社のシニアリサーチマネージャーでアジア太平洋地域全体の消費者リサーチを担当する朴ヨンテ氏に、日本の状況も含めたAI時代の消費者行動について話を伺った。

消費者は、購買を決める瞬間に“確信”を求めている

MarkeZine:今日は「AI時代の検索×消費行動の在り方」をテーマにお話を伺っていきます。入り口として、現代の消費者は買い物に際する検索や情報収集に対してどのようなニーズを持っているのか、解説をお願いできますか。

朴:買い物をする際、消費者は誰しもが「自分にとって最善の選択」を目指します。その望みに最も合う商品・サービスを、できるだけ少ないコストで手に入れたいと思うわけです。

 情報技術の発達により、私たち消費者は多くの選択肢に容易にアクセスできるようになりました。一方で、みなさん実感されているとおり、膨大にある選択肢の中から1つを選び抜くための労力は増しています。調査では日本の消費者の6割以上が、その情報の多さに圧倒された経験があると回答しており、これは諸外国に比べても高い数値です。

 そのような中、注目すべきは、消費者の中に2つの矛盾した購買心理が存在しているということ。具体的には、「失敗がこわいから慣れ親しんだ選択肢にとどまりたいという気持ち」「いつもの選択肢よりもっと良い選択肢があるかもしれないと期待する気持ち」が存在していることがわかっています。そんな複雑な感情を抱えながら、私たち消費者は「自分にとって最善の選択」をするために検索行動をしているのです。

Think with Googleより引用
Think with Googleより引用

MarkeZine:最善の選択肢にたどり着くまでに、多くの消費者が多少なりともストレスや葛藤を感じていると理解してよいですか?

朴:そうですね。結局、最善の選択肢は誰に決められるわけでもなく、自分自身でその選択が最善だと確信する必要があり、そのためには自分に関連度の高い情報を調べ切ったと思えるかが重要なことがわかっています。

 当然ですが、生活者はすべての情報へアクセスし、選択肢を吟味できるわけではありません。加えて、丁寧に情報探索をしても確信できない場合もあります。自分の選択に確信を持つには、膨大な情報の中から「自分にとって意味ある情報」を「効率的に」取得できるか否かが鍵になると言えるでしょう。

 ちなみに、世界的な傾向としてGoogleの検索クエリは年々長くなってきているんですよ。たとえば、昔は「日焼け止め 人気」くらいだったのが、最近は「日焼け止め とにかく汗に強い プチプラ」といった具合に変化しているのです。日本でもこの1年間で、4分の3以上の商品・サービスカテゴリにおいて検索クエリが長くなっていました。消費者が「自分にとって意味ある情報」を求めている様子が伺えます。

Think with Googleより引用
Think with Googleより引用
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この記事の著者

塚本 建未(ツカモト タケミ)

ライター・編集者・イラストレーター。早稲田大学第二文学部を卒業後、社会人を経て再び早稲田大学スポーツ科学部へ進学。2度目の学部卒業後は2つの学部と高校デザイン科で学んだ分野を活かすためフィットネス指導者向け専門誌「月刊Fitness Journal」編集部に所属してキャリアを積み、2011年9月から同雑誌の後継誌「月刊JAPAN FITNESS」編集部の中心的な人物として特集・連載など数多くの誌面を担当した。現在はWebメディアに主な...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/12/10 09:30 https://markezine.jp/article/detail/47468

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