LINE公式アカウントの相談は「具体施策の実施方法」から「施策全体の方針設定」に変化
━━今回はミロゴスでLINE公式アカウントの専門的な支援に携わるお二人に、昨今のLINE公式アカウントの活用における企業の悩みや今後の活用に関するヒントを伺いたいと思います。まずはお二人の具体的な業務やミッションについて教えてください。
千葉:私はクライアント企業からご相談をいただくフロント、そしてマネジメントラインの担当です。各企業に合わせたサポートを実施しながら、各プロジェクトの施策全体の骨組みや優先度の設定を行っています。
橘:私はエキスパートとして、施策の具体的な中身を構築していく立場です。アカウントの全体戦略・具体施策をフロントと一緒に考えクライアント企業へのご提案を組んだり、「どこで、誰に、何を、どうやって配信するか」といった、具体的な配信のプランニングと実行をしています。千葉とは若干違う目線を持ちながらも、ともにコンサルタントとして価値観を合わせ、業務を行っています。
━━昨今、クライアント企業からはLINE公式アカウントの活用についてどのようなご相談がありますか。
千葉:数年前と比べてご相談内容が変化しています。当社では元々、APIを活用したLINEの配信やデータの蓄積ツールを提供する、SaaSツールのベンダーとしてご依頼を受けることが多く、会員証のID連携や自動配信の設定、あるいは柔軟性のある個別の開発などに対応してきました。そのため以前は「この施策を実行したい」といった具体施策の実施方法に関するご相談が多くありました。
しかし、最近では「こんな方針でLINEを使っていきたいけれど、何から着手すればいいのか」「運用の方向性がわからないので示してほしい」というような、戦略や施策立案といった上流工程についてのご相談も増えてきています。これを受け、数年前から当社では運用面の支援にも力を入れるようになりました。カスタマージャーニーにおけるLINE公式アカウントの位置づけや、他ツール・他媒体との兼ね合いなど、戦略策定からサポートさせていただく場合もあります。
友だち登録を目指す「層」にも変化
━━なぜ、相談の内容が変化してきているのでしょうか。
千葉:LINE公式アカウントがリリースされ、しばらく時間が経過したことが大きな理由だと思います。「まずは自社なりに様々な施策を行ってみたけれど、壁に直面してしまった」「もう少し成果をアップさせたいが、今の取り組みでは限界が見えてきた」というお悩みを抱える企業が増えてきたのでしょう。
橘:以前はLINE公式アカウントで一定以上ブランドへの愛着がある方、たとえば“F2以上のお客様”を中心に友だち登録をしていただき、コミュニケーションを取ることを目指す企業が多かったと思います。
橘:しかし最近は、そういった一つの購買層に狭めて考えるのではなく、入り口からフェーズごとに最適な体験を提供できるようなタッチポイントとしてLINE公式アカウントを用意し、ユーザー一人ひとりに長期的に寄り添っていきたいと考えるクライアント企業が増えたと感じています。