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「二つの見直しでROAS約14倍」の事例も!LINE公式アカウント運用コンサルに聞くステージの上げ方

 LINE公式アカウントが顧客とのコミュニケーションチャネルの一つと位置づけられるようになって久しく、特にCRMを目的として活用する企業は多い。一方で、その設計の習熟度にはばらつきがあり、当初とさほど変わらない設計のままで活かしきれていないといった企業も少なくないのが現状だ。企業のLINE公式アカウントの運用支援を行うミロゴスは、企業の取り組みや活用方法の変遷に最前線で向き合い続けてきた。本記事では、近年クライアント企業から増えている相談の内容やその傾向、具体的な取り組みの事例について、同社の千葉氏、橘氏に聞いた。

LINE公式アカウントの相談は「具体施策の実施方法」から「施策全体の方針設定」に変化

━━今回はミロゴスでLINE公式アカウントの専門的な支援に携わるお二人に、昨今のLINE公式アカウントの活用における企業の悩みや今後の活用に関するヒントを伺いたいと思います。まずはお二人の具体的な業務やミッションについて教えてください。

千葉:私はクライアント企業からご相談をいただくフロント、そしてマネジメントラインの担当です。各企業に合わせたサポートを実施しながら、各プロジェクトの施策全体の骨組みや優先度の設定を行っています。

橘:私はエキスパートとして、施策の具体的な中身を構築していく立場です。アカウントの全体戦略・具体施策をフロントと一緒に考えクライアント企業へのご提案を組んだり、「どこで、誰に、何を、どうやって配信するか」といった、具体的な配信のプランニングと実行をしています。千葉とは若干違う目線を持ちながらも、ともにコンサルタントとして価値観を合わせ、業務を行っています。

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(写真左)ミロゴス株式会社 セールス部 マネージャー 千葉萌香氏
(写真右)ミロゴス株式会社 セールス部 エキスパート 橘瑛穂氏

━━昨今、クライアント企業からはLINE公式アカウントの活用についてどのようなご相談がありますか。

千葉:数年前と比べてご相談内容が変化しています。当社では元々、APIを活用したLINEの配信やデータの蓄積ツールを提供する、SaaSツールのベンダーとしてご依頼を受けることが多く、会員証のID連携や自動配信の設定、あるいは柔軟性のある個別の開発などに対応してきました。そのため以前は「この施策を実行したい」といった具体施策の実施方法に関するご相談が多くありました。

 しかし、最近では「こんな方針でLINEを使っていきたいけれど、何から着手すればいいのか」「運用の方向性がわからないので示してほしい」というような、戦略や施策立案といった上流工程についてのご相談も増えてきています。これを受け、数年前から当社では運用面の支援にも力を入れるようになりました。カスタマージャーニーにおけるLINE公式アカウントの位置づけや、他ツール・他媒体との兼ね合いなど、戦略策定からサポートさせていただく場合もあります。

友だち登録を目指す「層」にも変化

━━なぜ、相談の内容が変化してきているのでしょうか。

千葉:LINE公式アカウントがリリースされ、しばらく時間が経過したことが大きな理由だと思います。「まずは自社なりに様々な施策を行ってみたけれど、壁に直面してしまった」「もう少し成果をアップさせたいが、今の取り組みでは限界が見えてきた」というお悩みを抱える企業が増えてきたのでしょう。

橘:以前はLINE公式アカウントで一定以上ブランドへの愛着がある方、たとえば“F2以上のお客様”を中心に友だち登録をしていただき、コミュニケーションを取ることを目指す企業が多かったと思います。

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橘:しかし最近は、そういった一つの購買層に狭めて考えるのではなく、入り口からフェーズごとに最適な体験を提供できるようなタッチポイントとしてLINE公式アカウントを用意し、ユーザー一人ひとりに長期的に寄り添っていきたいと考えるクライアント企業が増えたと感じています。

意識する指標は具体的にどう変わった?「ロイヤリティ」「効率」の基準

━━千葉さんと橘さんが担当されているクライアント企業の考え方はどのように変化していますか。

千葉:私はEC系やコスメ系のクライアント企業を担当することが多いのですが、従来クライアント企業は売上や購入件数など、多くの場合そのボリュームを目標として設定していました。しかし現在は、お客様により良い体験をしてもらい「ロイヤリティを深める」こと、そして最大限の効果を発揮できるように「効率を上げる」ことなどに対するご要望が多くなってきています。ROAS(広告の費用対効果)やCPA(顧客獲得単価)という言葉も、最近は以前よりよく聞かれるようになった印象です。

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━━LINE公式アカウントによるロイヤリティ向上への効果を具体的にはどのような視点で評価されているのですか。

千葉:たとえばメーカー企業の場合、配信時のリアクションでブランドに対する愛着度を測っています。メーカーそのものに対する愛着、「この商品だったらこのメーカー」といった第一想起を重視しているクライアント企業が多くなっていますね。

橘:コスメ系のクライアント企業では、自社ECにおいてLINE公式アカウントを購買チャネルの一つとして重視することも多い傾向にあります。LINE公式アカウントを通じて商品の魅力を発信した際の開封率やクリック数などに加え、配信を通じてどれだけ購入いただけたかを重視されているケースが多いです。

「自由度の高い設計」「多角的データ」が武器になる

━━LINE公式アカウント運用をそうした一つ上の段階へと進めるために、専門的な立場として何を考え、提供することが多いのでしょうか。支援の際には、どのようなことを意識していますか。

千葉:まず初期はクライアント企業から「やりたいこと」として提示されるものだけではなく、何に悩み、何を課題と感じているかなど背景をお伺いし、分析することを意識しています。当然ですが、たとえば同じコスメ系の企業でもターゲットや商材特性によって、コミュニケーションの設計図は各社大きく異なります。アピールしたいポイントやブランドのありたい姿によって、見せ方や活用の方針は多種多様なのです。そのうえで「こんな施策をやってみたい」「これを達成したい」といったクライアント企業が持っている理想や実現したいと考えていることを大切にしながら、LINE公式アカウントの最適な活用方法をご提案しています。

橘:実際に画面の設計や施策の立案を行う段階では、開発の引き出しの多さが求められます。たとえば、レイアウト、タップ領域、吹き出し数、カルーセルの見せ方などをカスタマイズし、トークルームの中で巧みな表現ができればその分効果は高まります。その点、当社はAPI連携によって自由度の高い設計が可能で、目的に応じて今どのような表現が適するのかについても知見を蓄積し続けています。これはLINE公式アカウントを専門的に支援してきた当社ならではの強みだと考えています。

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橘:クライアント企業が持つ購買履歴データの他、定例会でヒアリングした内容、APIを通じて取得したデータ、LINEヤフーが提供するLINE Official Account Managerのデータなど、様々なデータを統合的に活用してPDCAを回しています。そのため、トークルーム内の見た目としては小さな違いのご提案であっても、想像以上に大きく反応が変わることもあるのです。

 コスメEC事業者によるLINE公式アカウント経由のCPOは4桁台の金額が標準的である中、当社が運用支援をしているクライアント企業では飽きのこない見せ方にすることでリピーターが増え、CPOが3桁台、時には2桁台で推移しているブランドもあります。配信や施策の工夫でこのような大幅な変化が現れることに、驚き喜んでくださるクライアント企業が多くいらっしゃいます。

「友だち」へのアプローチの効率化 ROASが約14倍改善

━━運用支援の内容と成果について、実例でご紹介いただけますか。

千葉:一つ目は、コスメメーカー企業の事例です。スタンプの配布などで広く友だちユーザーを集めた状態で、当社に運用をご依頼くださいました。そのクライアント企業では、既に熱量が高いファンであるユーザーから興味を持ち始めた段階のユーザーなど、エンゲージメントに濃淡があるにも関わらず友だちユーザーの整理をできていないことが課題でした。そこで、メッセージを届けるべき方の見極めや、コミュニケーションの量、方法について検討しました。

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千葉:友だちの数も大事ですが、先ほどお伝えしたように、最近では効率重視の傾向も見られるため、最も良いセグメントを見極め、そこに絞って配信をすることが重要になっています。それを当社で実施した結果、CPOを約半分まで引き下げることができ、非常に効率の良い配信となりました。

 二つ目は、当初は良かった反応率が年を追うごとに落ち着いてきてしまったクライアント企業の事例です。「効率を上げる」という視点で、直近1年間の“確度が高い”お客様に配信を絞ることを提案しました。また、5~6年前に推奨されていた見せ方から、現在魅力的に見える方法へと変更しました。その結果、タイミングによってはROASが約14倍改善されました。

━━すべてのクライアント企業に共通して成功できる設計やフォーマットが存在するわけではなく、その都度届けるべきエンドユーザーの見極めや定義付けを徹底することで目的に応じた効果を引き出しているのですね。

千葉:はい。そもそも企業様によってはマーケティング会社に発注する(または切り替える)こと自体が大きな決断です。そこから改善に取り組むにあたり、現状に対する評価や、目指すべきことは当然理解できていなければなりません。運用パートナーとして、クライアント企業から見える景色と外から見えている景色をしっかりと融合させ、両方の目線を揃えておくことが大事だと思っています。

橘:また、年単位などの長い目で見てLINE公式アカウントの効果を高められるよう、複合的なご提案をさせていただくことも昨今多くなっています。

 具体的には、配信、スポット施策や友だち集客、ID連携の開発などが選択肢としてある中、年間のご予算を基にどのようなバランスで何に取り組むことがLINE公式アカウントの効果を高めることにつながるか、といった内容です。

 たとえば、メッセージ配信に関しては、クライアント企業の商戦期に対応した年単位での山の作り方を意識しつつ、各配信の内容はもちろん、前後の配信とのストーリー性やバランスが取れているかなども大切にしながらご提案させていただいています。

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LINE支援の専門家として、多岐にわたるアップデートと提案を続ける

━━LINE公式アカウントの活用の専門家として、今後どのような展望を描いていますか。

千葉:当社ではLINEヤフーと密に連携しながら、常に最新の情報をキャッチアップしています。また、その情報は社内のクリエイターや開発メンバーと共有し、全社としてアップデートし続ける体制を構築しています。そのため、求められたことだけではなく、効果的だと感じた施策を素早くご提案することが可能です

橘:今の時代、LINE公式アカウントの活用方法は多岐にわたっています。課題感や焦りを感じている企業も多いかもしれません。ミロゴスは、多くのクライアント企業とお取り引きしてきた中で得たナレッジを活かし、またエンドユーザーの視点も大事にしながら、LINE公式アカウントの活用の方法をご提案していきます。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:ミロゴス株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/12/26 11:00 https://markezine.jp/article/detail/47534