受注率の高いインバウンド商談を増やすには「マーケの協力」が必須
前回の記事「マーケが作ったリードから受注がなぜ増えない?インバウンド商談を取りこぼす『4つの罠』」では、「『90秒アプローチ』ができていない」「『追客不足』で全員接続できていない」「『アプローチ漏れ』による機会損失」「『PDCAの不足』で改善が進まない」の4つが、インバウンド商談を取りこぼす理由であることを解説しました。
今回は、4つの罠にはまることなく、「受注率の高いインバウンド商談を増やす方法」を解説します。ただ、一見すると営業組織で起きている課題なので、多くのマーケターにとってはあまり関係のないことと捉えられるでしょう。しかし実際には、これらの課題を解決するためにはマーケターによる協力が必要不可欠です。
たとえば、2024年3月にimmedioが発表したインサイドセールス白書によると、リード対応に時間がかかる理由として「見込客の情報不足」「リード供給量の未調整」など営業組織だけでは解決が難しい課題も複数挙げられています。
そのため、マーケティング組織側で「リード供給時に付与する情報の変更」や「リード供給量を調整する」などの工夫を行う必要が生じてしまうのです。
では、インバウンド商談の取りこぼしを防ぐために、マーケターは営業とどのように連携を取るべきなのでしょうか?
マーケと営業が共有すべき“共通のKPI”
マーケティングと営業間での連携を考える上で大切なのは、両組織で共有すべきKPIの設定です。
現状、両組織が共通で追っているKPIは、「リード数」と「商談数」だけという企業も少なくないでしょう。もう少し細かく見ている企業でも、MQL数やSQL数、商談以降の案件化数、パイプライン創出額といった指標までに限られることがほとんどです。
ちなみに、インサイドセールス白書を見ると、インサイドセールスの目標として一番多いのは商談数で、次が有効商談数であることがわかります。
しかし、“4つの罠”を回避しようと考えた場合、これらの成果目標を追っているだけではいけません。「リードに対して初回接触までにかかっている時間」や、「1つのリードに対する追客回数」など、成果の手前にある行動基準についての目標が必要になります。
なお、この行動基準をしっかりと把握するには、CRMに追加で計測項目を設置して、インサイドセールスの行動を可視化する必要があります。その具体的な指標の置き方や計測方法については、インサイドセールスプラスで投稿されている「インサイドセールスの成長を促す18の指標とは?」という記事で詳しく説明されているので、参考にしてみてください。
こうしてこれらの行動基準を策定した後は、モニタリングと改善プロセスの設計を行います。モニタリングによって「リードを滞留させてしまう」「追客が徹底できていない」などの課題を抱えるチームや個人が見つかった際に、改善策の検討が可能になるのです。改善が見られるまでは一時リードの供給量を絞るなどの工夫が行えるようになります。
とはいえ、これらの対策では解決できない課題が1つあります。それは「インサイドセールスの業務時間外に発生したリード」への対応です。
週7日間のうち、一般的にはインサイドセールスの稼働時間はせいぜい40時間程度です。そうなれば業務時間外に獲得するリードが多くなるのも当然でしょう。これらのリードに対しては具体的にどのような対策を採るべきなのでしょうか?