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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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成果につながるリサーチ

パナソニックが実践する未来起点のリサーチ 数年先の生活者や市場を捉える意義

多忙なマーケターのための“筋トレ”方法

──現在の社会や市場だけでなく、未来の社会や市場にも想像を及ばせることは、マーケターの仕事においても非常に重要なアクションだと思います。企業のマーケティング担当者が自身のリサーチ業務に取り入れられそうなエッセンスはありますか?

 難しい問いですね。起こり得る未来を自ら描いてみたり、「こんな兆しがあるな」と自分で捉えて考察を深めてみたり、日ごろの“筋トレ”が効果的かもしれません。

 マーケターの皆さんは日々の業務に追われているため、未来に目を向ける時間を確保するのは難しいですが、オリジナルの先進事例集のようなものを作っておくことはおすすめしたいです。最近はオンラインホワイトボードなどのツールが発達していますから、それらを使いながら先進事例をクリップして「将来こういうことが起こるかもしれない」「自社の事業にこういう可能性がありそう」などの示唆を発掘する習慣をつけると良いと思います。

 たとえば個人レベルで起きている変化が地域レベルで起きるとしたら、どのような変化になるか。その変化が空間に与える影響はどのようなものか。変化に対抗する動きが生じるとしたらどのようなものか。そんな風に、思考のコツのようなものを社内のメンバーには伝えるようにしています。我々のベースにあるのはやはりデザイン思考です。未来起点・顧客起点の視点からバックキャストしていくようなアプローチもあります。

人にしかできないリサーチがある

──最後に伊東さんの展望をお話しください。

 「AIとの共存」は最近ホットな話題ですが、リサーチ担当者にもその波が向かって来ていると感じます。「リサーチにAIを使ってみませんか」と謳うツールが発売されるなど、AIの活用は当たり前になってくるでしょう。

 最も大事なことはAIを上手く活用することではなく、AIで大量の情報を処理することにより、ファクトの精度を上げることだと思います。情報の処理や分析をAIで効率化すると、空いた時間を人にしかできない価値創出や価値創造に充てることができます。たとえば先ほど申し上げたフィールドリサーチやインタビューは、担当者が五感を使って示唆を得る重要な機会です。

 インサイトリサーチ課としては、ただ事業部から依頼を受けて調査を行うリサーチ屋さんではなく、リサーチから得たインサイトを事業につなげるプランニングまで関わりたいと考えています。今後はAIで効率化できるところは効率化しながら、プランニングにリソースを割きたいですね。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/03/31 07:00 https://markezine.jp/article/detail/47773

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