3.アイディア・コンテンツ創出における活用
アイデア発想の大量生産化
アイディアは質よりも量であり、量の中から最良の案が見つかる。この量を広げる部分が、知的労働集約的な側面になると思うのですが、ここでも生成AIは抜群に威力を発揮します。
これはおそらく多くのビジネスパーソンが実践している部分だと思います。ここで重要となるのが、課題やそれに基づいた戦略を整理したうえで、1つ1つの戦略の方向性に対してアイディアを幅広く作成するといった「絞って広げる」やり方が有効です。
たとえば、ターゲットに対して、目指したい状態を達成するための施策アイディアの方向性を10個作成してもらいます。次のステップで方向性1つ1つに対して、具体施策案をさらに10個ずつ作成するといった形で、絞った方向性の中で幅広く案を作成してもらいます。
生成AIは、とりあえず案を沢山作成すること自体は得意です。ただし、作成してもらった幅広い案から、有効なものを見出すステップをより良い形にするために、アイディアを構造化させておくことが重要です。そこで、戦略や戦略方向性、施策方向性等を整理しておいた上で、絞り込んだ方向性の中で幅を広げ、膨大なアイディアをカテゴライズさせた状態でアウトプットすることをお勧めします。

コンテンツ作成の高速化
コンテンツを作成する上では、どんな目的で、誰を狙って、どんな構造のコンテンツなのかを大量に場合分けしたうえで、詳細を含めた記事コンテンツを作成していくといった、アイディア創出と同じステップで作成することが有効でしょう。
これはコンテンツ作成においても、質のばらつきを防ぎ、再現性を高めた作成プロセスにすることにもつながります。エクセルやスプレッドシート等を活用し、コンテンツ作成の戦略要素をまとめておき、作成工程を最適化します。
4.顧客体験の向上
カスタマージャーニーの最適化
カスタマージャーニーの最適化においては、顧客ペルソナを情報としてインプットしておき、顧客の気持ちになったときの心理や体験を具体的に言語化してまとめていくことが大切です。
下の図は対象となるターゲット層における10段階のステップでまとめたカスタマージャーニーの議論用のMAPです。現状の体験、顧客の心理、理想の体験、課題、解決策をまとめています。ターゲット層を変えることで、素案を量産することができます。

生成AIに作らせるうえで、カスタマージャーニーのジャーニープロセスをまとめておき、そのステップごとに現状を作成していきます。その上で、理想の状態版も作成していきます。一度型となるカスタマージャーニーの現状版と理想版ができあがったら、今度はターゲット情報を変えてカスタマイズ版を作成することで、様々な顧客層別のカスタマージャーニーを高速で作成することができます。
顧客満足度向上のヒント抽出
顧客アンケートの内容を、生成AIであらかじめ設定した顧客状態フラグのどれに該当するかを分類し、顧客満足度の状態がどうなっているのかを定量的に分析し続けることができます。顧客からのネガティブな意見を整理してまとめておき、それをもとに対応すべき方向性を常に把握したり、満足度向上のための施策を考えることにも使えます。