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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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マーケター主導で進める生成AIの組織利用

リサーチ、戦略策定、アイディア創出…マーケティング業務全般へのAI活用事例を紹介

2.戦略立案における活用

課題の抽出と整理

 リサーチに基づいた発見から、どのような課題があるのか、ここは多くのビジネスパーソンの腕の見せどころだと思います。しかし生成AI時代は、課題の選択肢を幅広く出してから、本質的な課題を選びだすステップに変わっている(いく)と思います。

 このプロセスによって、一人のビジネスパーソンが会議の前に生成AIと課題出しの簡易議論を行い、何が課題なのかへのフォーカスに人が注力できることになると考えます。

 生成AIに対して、やりたい目的と現状認識の情報を入れて、どんな課題があるかを質問して選択肢を作成してもらいます。前述の調査データをまとめる際にも、そこから導き出される課題を10個挙げてと質問することで、課題候補の全体像を把握することができます。

 課題は本質的なものにフォーカスする思考も重要ですが、その前のステップとして見落としが無いか考え抜くステップも重要です。幅広い視点で課題候補を出すことについては、生成AIが圧倒的にパフォーマンスを発揮してくれるのです。

筆者作成
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 また、課題の絞り込みを行う際も、優先度やその理由についても、議論パートナーとして活用することができます。知的プロセスにおいても、思考量が圧倒的に求められる部分は、生成AIに担ってもらうことが有用になります。

戦略オプション作りの充実化

 本質的な課題を見出した上で、どのような戦略のオプションがあるのかを選択肢として作成する際にも生成AI活用は有効です。

 マーケティングプロモーションにおける戦略であれば、課題に対して「どのターゲット層に対して、何を伝えることで、どんなプロポジションを目指すべきかを作成してください。その際にターゲット層のパターンを5つ作成し、それぞれについて何を伝えて、どんなプロポジションを目指すかの選択肢を5個づつ作成してください」といった形で戦略オプションを作成します。

 このやりとりを通しても、戦略案を策定する上での見落としていた視点に気が付くことができ、また発想も広げることができます。

筆者作成
筆者作成(タップで画像拡大)

 また抽出した戦略案に対して、どのような戦略シナリオ案があるのかを作成し、各シナリオのリスクとリターンを評価していくといったことが有効になります。もちろん、前提の情報をしっかり伝えないと、机上の空論が展開されてしまいます。それでも、幅広い案を提示してくれることで、思考の幅を広げ、思考活力を向上させてくれる意味で非常に価値があると思います。

 圧倒的に時間を短縮させることにも寄与しますが、思考を充実させるということへの価値が圧倒的に高い領域でもあると思います。

次のページ
3.アイディア・コンテンツ創出における活用

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この記事の著者

石田 拓己(イシダ タクミ)

スターティアホールディングス株式会社 マーケティング部 部長
クラウドサーカス株式会社 執行役員 CSO

博報堂でマーケターとしてマス領域&デジタル領域&メディア領域に9年半従事し、40を超える幅広いクライアント案件に携わる。その後マツダのグローバルのDXプロジェクトに出向して携わった後、DMM.com の経...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/01/21 09:15 https://markezine.jp/article/detail/47814

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