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【特集】イマドキの中高生・大学生のインサイトを探る

エンタメを楽しみ、便利な機能を活用し、相手の反応を気にする──LINEリサーチから見るZ世代・α世代

BeRealはゲーム感覚、母親と位置情報を共有

──SNSの利用状況について、特にXとInstagram、TikTok、BeRealの利用傾向を教えてください。

 XとInstagramは両方ともよく使われていて、使っていないほうが少数派です。2021年に高校生を対象に実施した調査ではXの利用率がやや高い傾向にありましたが、今はほぼ同等になっていると考えられます。ただし、当時の調査では、Xは男女ともアカウントを持っている一方、Instagramは男子高校生のほうが持っていない割合が高いなど、男女差が見られました。最近は10代男子でも利用率が伸びてきていると感じます。

 TikTokは、2023年の調査でも、中高生の利用率は4割台。XやInstagramよりは低い傾向ですが、女性のほうが利用している割合が高い傾向です。中高生を比べると、中学生のほうが利用率が高く、高校生になると以前使っていたがやめたという割合が高くなるので、年齢が上になると少し離れていく傾向があります。いろいろな動画を短時間でサクッと見られるところがいいのかもしれませんね。また、中高生の2割程度がTikTokで音楽を聴く、と答えていたり、見ているジャンルがゲーム、音楽などなので、興味のある楽しいコンテンツが多いのかもしれません。

 BeRealの利用率は独自に調査していませんが、今後も流行が続きそうなものとして上位にあがっており、注目はされているサービスです。SNSの違う形として、突然写真を撮ることをゲーム感覚で楽しんでいるのかもしれません。

──家族とのコミュニケーションについて、特に親子関係について教えてください。

 10代は実家で暮らす方も多いため、他の年代よりも、両親と会話する機会が多い傾向があります。特に母親とのコミュニケーションの頻度が高いことが調査でもわかっています。しかし興味深いのは、母親との関係がよりデジタルを通してカジュアルになってきているかもしれないと感じる点です。特に女子中学生は母親と一緒にいろいろなことをしている傾向で、一緒に動画や写真を撮ったり、お茶・カフェ巡りをしたり、ファッションアイテムを共有したりする人が2割程度ですが、一定数いました。

 これには世代的な要因もあると思われます。現在の中高生の母親は30〜40代で、自身もデジタルになじみがある世代です。そのため、デジタルのものも双方一緒により楽しめる親子世代が増えてきているのかもしれません。

 ただし、大学生になると親とのコミュニケーション頻度は減少します。一人暮らしが始まったり、友人と過ごす時間が増えたりするためです。とはいえ、母の日調査などを見ると、母親への気持ちそのものは変わらず、単に日常的な接点が減るという程度のようです。

 また、位置情報の共有アプリ/サービスを使っている高校生が5割程度いて、特に母親との共有が多いのが特徴的です。待ち合わせや安否確認的な使い方がされています。連絡の手間がなくなったり、待ち合わせが楽になったりするという意見が多いですね(図表2)

図表2 相手や自分の状況を共有し、待ち合わせや安否確認に位置情報を利用(出典:LINEリサーチ「イマドキ中高生事情」2023年9月25日公開https://lineresearch-platform.blog.jp/archives/43289851.html)(タップで画像拡大)

図表2 相手や自分の状況を共有し、待ち合わせや安否確認に位置情報を利用(出典:LINEリサーチ「イマドキ中高生事情」2023年9月25日公開)(タップで画像拡大)

現金決済がまだまだ主流

──学生の購買行動について教えてください。

 2021年に実施した高校生のお財布事情の調査では、お財布に入れている金額が5,000円未満の人が7割でした。2022年に高校生に実施した調査では8割がアルバイトはしていない状況です。大学生はもう少し多いでしょうね。お小遣いの渡し方はデジタル決済に移っているかと思いきや、現金での受け渡しが一般的です。

 まだクレジットカードの保有率が低く、持っていても利用限度額があることも影響していると考えられます。ただし、大学生になると電子決済が多くなってくるので、クレジットカードや銀行口座などを持ち始めるタイミングでしょう。

 初めてのアルバイト代の使い道を聞いた結果だと、高校生の場合は貯金する割合が最も多いのですが、それ以外だと友だちとの遊びや、女子はコスメや美容関係などにも使うことがあるようです。

──商品の購入を決める際の情報収集方法はどのような傾向がありますか?

 ファッションの場合、商品との出会いは主にInstagramです。その後、興味を持った商品について自分でGoogle検索をして調べるというパターンが多いですね。

 ファッションに関する情報源の調査では、必ずしも有名インフルエンサーに限らないという傾向が見られました。Instagramが始まった頃は影響力のあるインフルエンサーが中心でしたが、今は一般の方のアカウントでもフォロワーが数千・数万人規模の場合があります。また、アルゴリズムで興味のある投稿が表示されるため、発信者が誰かということよりも、コンテンツ自体を重視する傾向にあります。ただし、YouTubeに関しては一般の方が投稿するハードルがやや高めなので、YouTuberが発信するコンテンツを見る傾向があります。

 企業の公式アカウントからの発信で商品のスペックや発売情報を確認し、実際の使用感や使い方といった情報は一般ユーザーの投稿から得ているようです。

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多様化する「推し活」、投資への意識も変化

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/02/25 09:30 https://markezine.jp/article/detail/47826

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