「ラストワンマイル」を徹底したマーケティングプラン
────マーケティングプランは、どのように設計しましたか?
関口:Nontitleのメンバーが、30名ほどの現役大学生に対して1時間〜1時間半のロングインタビューを実施し、その結果を踏まえてマーケティングプランを一緒に設計しました。この調査を通じて、大学受験の合格時期によって2つの異なるアプローチが必要だとわかったのです。

関口:まず、年内に合格が決まる約半数の受験生に対しては、秋から年末にかけて段階的なプロモーションを実施しました。受験が終わりスマホの利用時間が増えるタイミングを考慮して、TikTokなどSNSを通じて自然と目に触れるようなプロモーションを行いました。

関口:一方、一般入試で2、3月に合格が決まる受験生には、短期集中型のプロモーションを計画しました。これらの受験生は勉強で多忙なため、テレビやスマホに費やす時間が限られています。そのため、合格発表から入学準備までの短期間で、効率的に認知から購入検討までつなげる施策を打つ予定です。大学生へのロングインタビューでも、一般入試組の多くが十分に製品を検討できず、大学の推奨品を購入したり、とりあえず家電量販店に行って購入したりする傾向がわかっています。
──カスタマージャーニーの中で特に意識しているポイントはありますか?
関口:お客様にLAVIE SOLを手に取っていただけるよう「ラストワンマイル」の施策を徹底することです。今回のプロジェクトで獲得した認知を、店頭での最終的な購買までつなげるため、テレビCMや店頭での売り場作りを含めた「一貫した世界観の構築」に取り組んでいます。具体的には、パソコン売り場でNontitleの動画を投影したり、「NECのLAVIE SOL」と一目で認識できるポップを設置したり、営業部門と協力して展開しています。
着せ替えケースでZ世代の人気IPとコラボ
──プロモーション施策について、次に検討されていることがあればお聞かせください
関口:LAVIE SOLのユニークなポイントは着せ替え可能なケースです。ラインアップを次々に展開できるので、様々なIPとコラボするキャンペーンも可能です。ケースの製品展開は今後も拡大していく予定で、既にアニメ映画『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』とのコラボレーションを実施するなど、新たな取り組みを始めています。

関口:Z世代の中でも趣味嗜好が多様化しているため、様々なコラボレーションを通じて、異なる属性へのタッチポイントを増やしたいです。
森部:今回はZ世代や大学生をターゲットにしましたが、Nontitleの視聴者からのフィードバックを見ると、社会人からの関心も高いことがわかりました。そのため、今後は法人向けの展開も検討していく予定です。