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激変するデジタルマーケティングに対応する、インハウス化の心得

AI人材がインハウスでも重宝される時代に?デジタルマーケティングのインハウス化の未来

 運用型広告をはじめとしたデジタルマーケティングのインハウス化を支援するアタラの杉原・石永の共著で、昨今潮流が高まるインハウス化に関して全3回にわたって解説してきた本連載も今回で最終回。本稿では、インハウス化の今後の広がり、また広告主と支援会社に求められるアクションについてお話しします。

圧倒的スピードで進む、デジタルマーケティングのAI活用

 生成AIの出現によって、デジタルマーケティングにおけるクリエイティブ制作の環境は既に劇的な変化を遂げています。媒体・プラットフォームによっては、静止画のみならず動画も生成AIで高精度に制作できるようになってきました。

 また、広告運用の面では、GoogleのP-MAX キャンペーンに代表されるように、Googleのみならず媒体各社がキャンペーンの運用をAIの力で回せるようになっており、コンバージョンが最大化されるように自動調整できる状態まで進化しています。

 今後の予想として、媒体・プラットフォーム横断でAIが介在し、マーケティングの予算と目標、目的さえ手入力すれば、あとはAIが的確にキャンペーンを設計・運用してくれるような時代の到来が期待されます。既に類似のツールが複数出てきており、実現はそう遠くない未来だろうと考えています。

 加えて、MA(マーケティングオートメーション)を含むマーケティング運用支援システムの開発も、AIドリブンな企業で活況です。たとえば、CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)のうち10万人の顧客セグメントにレコメンドメールを送りたいという話があったとして、AIのエンジンが10万人それぞれにハイパーパーソナライズされた別々のレコメンドメールを制作して配信できるシステムが構築されてきています。

 数年先には、そのようなシステムをインハウスで使いこなす先進企業が出始めるのではないかというのが現時点での見立てです。

インハウス化でもAI人材が重宝される未来へ

 影響力がすさまじくメリットも多いAIは無視できない存在である一方、まだ完璧な状態ではなくミスをしてしまうケースもあります。AIを活用しつつ、ミスが発生したところを人が補正・フィードバックしたり、追加のプロンプトで指示を与えたりして補完することを“Human-In-The-Loop”と呼びますが、デジタルマーケティングのインハウス化においてもAIを使いこなせる人材がより重宝される未来が訪れるのではないかと思っています。

 また、事業やサービスにはコンセプトが必ずありますが、そのような人の思いに関しては、どれだけきれいなプロンプトを書こうともAIではなかなかつくることができません。広告やクリエイティブにおいて本質的に大事にしなくてはならないコンセプト面については、AIの力が及ぶのはまだ先になるのではないかと予測しています。

 だからこそ、どんなにAIによるクリエイティブが進化しても、最終的には人が介在してチューニングするということは不可欠だと考えています。

次のページ
インハウス化拡大の潮流に対し、広告主・支援会社が取り組むべきこととは?

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激変するデジタルマーケティングに対応する、インハウス化の心得連載記事一覧
この記事の著者

杉原 剛(スギハラ ゴウ)

アタラ株式会社 代表取締役CEO
ノバセル株式会社 エグゼクティブディレクター

KDDI、インテルを経て、オーバーチュア(現Yahoo!検索広告)、Google日本法人で広告営業戦略を担当。2009年にマーケティングのコンサルティングサービスやツールを提供するアタラを創業。プラットフォーム広告、リテールメディアなどの最新情報を発信する、日本では数少ないプラットフォームビジネスアナリストでもある。「プラットフォームの思考回路」チャンネ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

石永 孝士(イシナガ タカシ)

アタラ株式会社 マネージングディレクター/シニアコンサルタント
ノバセル株式会社 エグゼクティブディレクター

 大学卒業後、大手アウトソーシングビジネス企業に入社。米国シアトルにてシステムエンジニアとしてCRMシステムの開発に携わる。帰国後は外資系メーカー、オプト、ヤフー、楽天にて主にECや広告事業に関するマーケティ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/02/03 09:00 https://markezine.jp/article/detail/47934

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