今回のテーマは「マネジメント」
ブランド・リレーションシップ入門講座のマネジメント編です。2回にわたり、ブランド・リレーションシップを「活用」したり、「形成」したりするための「コツ」を、いくつかご紹介します。

今回と次回の内容を組み合わせることで、ブランド・リレーションシップのマネジメントがよくわかるはずです。
「形成」だけでなく「活用」も重要
ブランド・リレーションシップのマネジメントでは、「いかにしてブランド・リレーションシップを形成するか」に注目しがちです。しかし実際には「形成」だけでなく「活用」という重要な課題もあります。
形成:まだ自社ブランドに絆を感じていない顧客との間に、新たにブランド・リレーションシップを形成すること
活用:既にリレーションシップが形成されている顧客を経営資源として活用すること
このように活用と形成を分けて捉え、それぞれに対してどの程度力を注ぐのかを検討することは、とても大切です。
図2はブランド・リレーションシップの活用と形成の関係について整理したものです。活用と形成という2つの課題を組み合わせると4つの選択肢が生まれます。そしてブランド・リレーションシップのマネジメントは、これら4つの選択肢のいずれに取り組むかの検討から始まります。

ブランド・リレーションシップについて戦略的に考える場合、活用も形成もしないという選択肢があることを忘れないでください。ブランドの中には、消費者と絆を形成するよりも、品質、デザイン、あるいは価格の魅力などで勝負したほうが良いものもあります。この場合は従来からある、伝統的なブランド・マネジメントに取り組むことになります。ブランド・リレーションシップにあえて関わらないというのも、戦略的な意思決定の1つです。