検討ポイント(2)ブランドイメージとの整合性
BeReal.は「親しみやすさ」や「透明性」を重視するプラットフォームです。そのため、カジュアルなコミュニケーションを打ち出したい企業との相性が良い一方で、高級感や権威性を重視するブランドでは、親近感の演出がブランドイメージを損なう可能性があることに注意しましょう。

検討ポイント(3)運用リソースの確保
前述した通り、BeReal.の運用には「通知が来てから2分以内に投稿できる体制」が前提となります。親近感を重要視する場合は、迅速なコメント対応なども必要となるため、人員リソースの確保が必須です。
筆者の感覚では、通知が来るのは11〜19時が多い印象です。通知から2分以内に投稿できなければ一定の時間は他のユーザーの投稿が見られなくなるという仕様ではありますが、2分以上経過しても投稿自体はできるため、その前提で運用体制を考えてみてください。
効果的な運用には「想起シーン」を明確にした投稿を
三つの検討ポイントをクリアし、BeReal.アカウントを開設したら、CEP(カテゴリーエントリーポイント)を明確にした投稿設計を行いましょう。CEPとは、ユーザーが「このシーンでこのブランドを使いたい」と思えるような切り口を指します。
「SNSマーケティング支援と言えばホットリンク」のように、「〇〇と言えば△△(ブランド名)」の形で、〇〇の部分とブランドを結びつけるために「人」「物(商品やサービス)」「シーン」の何を押し出すのかを定義し、投稿に反映しましょう。
たとえばお菓子メーカーなら、スイーツを食べるシーンとして「日常」「お祝いごと(誕生日など)」「季節のイベント(クリスマスなど)」などが挙げられます。さらに「日常」にフォーカスすると、「朝ごはんの代わり」「おやつ」「夜食」「一日のご褒美」などが考えられます。
一通り洗い出したら、ユーザーに特に思い出してもらいたいシーンを選び、その想起につながるような投稿を実施しましょう。「おやつ」であれば、友人同士でシェアしているシーンや、オフィスのデスクに居て一人で味わっているシーンなどが挙げられます。想起シーンを明確にした投稿を繰り返し行うことで、目にしたユーザーに「買ってみよう」「食べてみたい」と感じさせ、興味や購入意欲を高めていきます。
企業によるBeReal.アカウントの運用は、従来のSNSマーケティングとは異なるアプローチが求められます。リアルタイムな共有と自然な雰囲気を大切にし、適切な運用体制を整えることで、ブランドへの共感や親近感を高められる可能性を秘めています。
自社の特性や目的に合わせて、慎重に検討を進めていくことをお勧めします。