ポイント1:URL構造の変更、リダイレクト漏れによる影響
サイトリニューアルでは、ディレクトリ構造やURLが変更されることがよくあります。しかし、これまでGoogleが評価していたページのURLが変わると、適切なリダイレクトを設定しない限り、過去の評価がリセットされてしまいます。
ハイフンがアンダーバーに変わったり、英大文字が小文字に変わったりといった些細な変化も、SEOでは別URLとして扱われます。Googleが察して、新URLに評価を自動で引き渡してくれるということはありません。
リニューアル後、数日のうちに一気に順位が下がりますので、必ずリダイレクトを設定しましょう。
例
旧URL:https://nyle-seo.com/service.html
新URL:https://nyle-seo.com/service/
近年はリダイレクトを設定しても、順位が下落し戻らない事例も増加
さらに、直近1~2年の評価アルゴリズムでは「URL変更のためリダイレクトを適切に設定してGoogleからの評価を引き継いだにも関わらず、数ヵ月にわたって順位が下がったまま戻らない」という現象を見かけるようになりました。これはコンテンツやタイトルを何も変更せず、ただURLだけを変更したときの話です。

上のグラフで示したサイトは、記事カテゴリとURLのディレクトリ構造が紐づいており、カテゴリを整理するためにはURL変更が必須となってしまう仕様でした。致し方なくURLのみ変更し、適切にリダイレクトを設定したものの、順位が下落し数ヵ月経過しても戻らない事態になりました。
以前に比べると「SEOで評価を引き継ぐためには、リダイレクトが必要である」ことは知られるようになってきましたが、「リダイレクトすれば順位がそのまま引き継がれる」と誤解されている節があります。残念ながら、評価が引き継がれる=順位が維持できるということではないのです。
これら認識していれば、「特別な理由がない限りURLは変更せず、そのまま使う」方が、リスクが低いことがわかると思います。たとえば、ブランド名の変更があるとドメイン自体を変えたくなるところですが、些末な差であればドメインをそのまま持ち越して使用する判断ができます。ドメインを変更するとサイト内の全URLが変更されますので、非常に大きなマイナス影響が生じる可能性があると予想できますよね。
また、リニューアルでのCMSの選定時にも、様々な場面でURLを共連れで変更せざるを得ないような仕様を避けることもできます。ぜひベンダー様にもご確認いただき、仕様の変更対応ができないかなどご相談いただくのが良いです。
ポイント2:コンテンツの改変・削除による影響
「デザインをすっきりさせるために、長文の説明を削った」「あまり読まれていない記事を整理した」などの施策が、実はSEOにとってはマイナスに働くこともあります。
これらの原因として考えられるのが、ページ内から削除したコンテンツの中に「ユーザーの意思決定において非常に重要な要素だった」情報が含まれており、評価が下落してしまうことです。ちょっとしたQ&Aなども、ユーザーの疑問を解決するのに役立っていることはよくあります。

また、技術が進歩しGoogleが様々な情報を認識できるようになったとはいえ、やはりテキストで書かれているのが最も認識しやすいのが実情です。たとえば、Googleは動画の解析技術を進化させていますが、確実に理解し評価できるのは依然としてテキスト情報です。
サービス説明の動画を埋め込むことでコンテンツを補完しようとするのは有効な手法の一つですが、動画内の情報だけに頼ると、検索エンジンがページの内容を適切に評価できず、順位が下がるリスクがあります。可能な限り、動画の要点をテキストでも補足することが重要です。