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Outbrain、Teads買収で新章へ──新生Teadsが目指すオープンインターネット広告の革新


 2025年2月3日、OutbrainによってTeadsの買収が完了し、Teadsとして始動することが発表された。合併により年間広告費約17億ドル(2024年度)、22億人超のユーザーにリーチ可能な、世界有数のオープンインターネット企業が誕生した。合併の狙い、また広告主・パブリッシャーに与える影響とは? Outbrain CEOから新生TeadsのCEOに就任したDavid Kostman氏に話を聞いた。  

デジタル広告市場は大きな変革の中にある

──プライバシー保護への意識の高まりとともに、サードパーティーCookieの制限が進んだ結果、広告主は「計測精度の低下」と「獲得単価の上昇」という二重の壁に直面しています。Kostman氏は現在の市場環境を、どのように捉えていらっしゃいますか?

 現在、デジタル広告市場は大きな変革の中にあります。プライバシー規制の強化とサードパーティーCookieの制限が進む中で、従来のターゲティング手法は変化し、出稿先の分散化が起きました。

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Teads CEO David Kostman氏

 また、GoogleやAmazon、Metaなどのプラットフォームは、ウォールド・ガーデン(※プラットフォーム環境を築き、独自のルールのもとユーザーを囲い込み、外部とのアクセスを制限する戦略)を通じて、市場の独占的支配を進めてきました。

──その結果、ウォールド・ガーデン内での競争激化が起き、さらに広告費が押し上げられる悪循環も生まれていますよね。

 はい。そうした環境の中で、広告主はオープンインターネット上でのターゲティング精度の向上と広告効果の最大化を求めるようになっています。

最大の狙いは最適なプラットフォームの提供

──Outbrainは、2025年2月にTeadsを買収。OutbrainのCEOだったKostman氏は、統合後は新生TeadsのCEOに就任されました。今回の合併における最大の狙いは、何だったのでしょうか?

 この合併は変化する市場環境に適応し、より透明性とユーザーエクスペリエンスを向上させるための戦略的な決断です。これまで、両社はそれぞれオープンインターネット上でCookieに依存せず、ブランドセーフな環境で広告効果を高めるソリューションの開発を目指していました。

 Outbrainは、AIを活用した予測分析とエンゲージメント最適化に強みがあります。一方Teadsの強みは、高品質なメディアインベントリー(広告在庫)とコンテキストターゲティング技術を用いたブランディングソリューションです。

 Teadsが2018年より開発を強化してきたコンテキストターゲティング技術は、ユーザーの閲覧コンテンツの文脈を分析し、関連性の高い広告を配信するものです。プライバシー保護を強化しつつ高精度な広告配信が可能なため、高い優位性があります。

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Teadsのコンテキストターゲティングは、消費者のモーメントに合わせた広告配信を行う。たとえば、スポーツニュースを読んでいるユーザーにはスポーツ用品の広告を表示し、金融記事を閲覧しているユーザーには投資関連の広告を配信する

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合併後、新生Teadsが目指す姿は?

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この記事の著者

竹上 久恵(編集部)(タケガミ ヒサエ)

早稲田大学文化構想学部を卒業後、シニア女性向けに出版・通信販売を行う事業会社に入社。雑誌とWebコンテンツの企画と編集を経験。2024年翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/05/30 12:26 https://markezine.jp/article/detail/48616

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