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第112号(2025年4月号)
特集『いま選ばれる「ブランド」の作り方』

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変容する金融業界のマーケティング

決済にとどまらない価値を。アメックスのゴールド・プリファード・カードはなぜ、Z世代の心を掴んだのか

 「開拓者を支える」というコンセプトの元、クレジットカードをはじめ様々な事業を展開してきたアメリカン・エキスプレス。2018年からグローバルでリブランディング施策に着手し、国内でも時勢や状況に応じ「アメックス」ブランドとしてのコミュニケーションを柔軟に変化させてきた。現在は特に、Z世代へ向けたマーケティングに注力している。特別な体験価値を提供するライフスタイルサービスとして若年層にどうアプローチしているのか、同社のカード事業部 ブランド&コミュニケーション副社長 杉本美穂氏に話を聞いた。

ダイニング、トラベル、エンターテインメントの3本柱で価値提供

MarkeZine編集部(以下、MZ):まずは自己紹介をお願いします。

杉本:これまで様々なグローバルブランドのマーケティングを担当し、消費財からリテールまで幅広いカテゴリーを経験しました。2018年にアメリカン・エキスプレスへ入社し、現在は4つの領域を統括しています。

 1つ目は全社レベルでのブランディング、2つ目は個人カードと法人カードのカスタマージャーニーのデザインと実行、3つ目はコンシューマーインサイトおよび調査、そして4つ目が昨年から加わったグローバルスポンサーシップの領域です。総合すると、ブランドのストーリーはどのようなもので、どういったコミュニケーションが最も理解しやすく親近感を持っていただけて、どうすればお客様自身にとって意味のあるブランドだと感じていただけるかを解き明かし、マーケティング活動を企画実行しています。

アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. カード事業部 ブランド&コミュニケーション副社長 杉本美穂氏
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. カード事業部 ブランド&コミュニケーション副社長
杉本美穂氏

MZ:クレジットカードを利用するZ世代の姿は、どのように変化しているのでしょうか?

杉本:クレジットカードだけを切り取って見るとあまり変化はないかもしれませんが、決済手段全体で捉えると、今の若い世代はクレジットカード以外にも様々なツールを駆使しながら自分の人生を効率的に楽しむ術をよく知っていると感じます。

 Z世代はコストパフォーマンス(コスパ)やタイムパフォーマンス(タイパ)を重視する傾向があるため、彼らをターゲットとしたサービスにおいてはすぐに理解できる・すぐに利用できる・すぐに価値を実感できることを心がけています。

 アメリカン・エキスプレスの企業理念は「日々世界最高の顧客体験を提供する」こと。そのため決済は、メンバーシップサービスの一部と考えています。私たちのブランドミッションの中心は、お客様へ力強い「バッキング(Backing/後押し・支援)」を提供すること。それを個人のお客様に向けては、特にダイニング・トラベル・エンターテインメントという3本の柱を通して、会員であるからこそ得られる素敵な経験を提供すること。特別な体験価値を提供するライフスタイルサービス・ブランドであることが当社のアイデンティティです。

グローバルでは新規会員の6割以上が若年層!アメックスがZ世代を重視する理由

MZ:アメリカン・エキスプレスでは、Z世代を対象としたマーケティング施策を積極的に実施されています。「アメックス」ブランドとして、Z世代の顧客層をどのように捉えているのでしょうか。

杉本:アメリカン・エキスプレスはその名の通り、元々は運送会社でした。ゴールドラッシュ時代のアメリカで、開拓者たちが東海岸から西部へビジネスを求めて移動する際、その現金やリソースを安全に届けることから始まった企業なのです。その後ツールや技術は変わっても、「次の時代を切り拓く人たちをバックアップする」という根本的な考えは1850年の創業から175年間変わっていません。

 日本では、アメックスはまだ「成功したビジネスパーソンのカード」というイメージを持たれている方も多いですが、海外では既にその認識は変わりつつあります。グローバルでは新規会員の6割以上がミレニアル世代からZ世代です。日本もそれに近しい傾向にあるため、約1年前からミレニアル世代やZ世代を中心とした若年層に向けたコミュニケーションに重点を置いています。

 2024年2月に発売した「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード」は、特典やコミュニケーションを若年層に合わせて設計したもので、20代の新規会員が増えています。特に体験価値の部分、たとえばエンターテインメントに関する特典は、若い世代に非常に好評です。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/05/15 09:30 https://markezine.jp/article/detail/48836

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