ServiceNowのCEOが語る、マーケティングの神髄
最後に、社内業務を自動化するクラウドサービスを提供するServiceNowのCEO コリン・フレミング氏が登場。フレミング氏は、マーケターはこれまで「自社の価値を顧客が理解できない形で伝えることに注力してきた」と呼びかけた。メディアパートナーやテクノロジーベンダーは毎年新しい略語を発明してはマーケティング活動に混乱を生み出し、結果マーケティングの目的は実在の人間ではなく架空のモデルに向けられる状況に陥っているのだ。
そして「ブランドと需要は二者択一ではない」と強調し、適切な認知を生み出しながら需要を獲得し、市場を開拓できると語った。マーケティングの真髄は、人々が自覚するより前に間に需要を創出することだとフレミング氏。購入の意思決定は最初の印象で決まることが多く、実際に81%は最初に頭に浮かんだ企業から購入するのだという。

同社ではJourney OptimizerのBtoBエディションを活用することでパーソナライゼーションを実現し、グローバル規模での顧客との関係を深化させている。また採用や投資に生成AIを活用しており、ターゲットとなるペルソナの理解を深め、新たなカテゴリーエントリーポイントを76も発見したことを明かした。
加えて、新たにアドビのAIエージェントと接続可能になったことで、さらに革新的な展開にフレミング氏は期待を寄せた。スケールのあるブランド運営が可能になり、日々数百ものユースケースを実証。アドビのソリューションを軸にセールスとマーケティングが真のビジネスパートナーとして協働し、購買グループ全体を俯瞰して取り組む体制を構築している。
最後にフレミング氏は、元プロレーシングドライバーとしての自身のキャリアを引き合いに出し「この業界がゆっくり変わることはもう二度とないでしょう。時速230マイルで車を運転することと、大規模なマーケティング組織を率いることは、それほど違わないのです」と講演を締めくくった。