MarkeZineを運営する翔泳社より、6月5日(木)に書籍『「直感買い」のつくり方 記憶と連想の力で「つい選んでしまう」を促す』が発売となりました。
本書は人間の判断がほとんどの場合に無意識でなされているという研究にもとづき、その無意識にマーケターが働きかける手段として連想の重要性を解説した書籍です。
人々に自社の商品を購入してもらいたいとき、従来のマーケティングではそのメリットやデメリットを説明し、論理的に説得しようとする手法が主流でした。しかし、著者は商品にプラスの印象を与える連想こそが最も重要だと強調します。
連想を促すイメージ(画像や言葉など)は商品やその特徴を直接には説明しませんが、それを見た人が自分の記憶から印象を紐づけ、商品に対して同じ評価を付与します。
例えば、オレンジジュースのラベルに「ストローが刺さったオレンジ」が描かれていたら、皆さんはどんな印象を受けるでしょうか。あるいは、ラベルに「オレンジジュースが注がれているグラス」が描かれていたらどうでしょうか。

左から右へラベルをリニューアルしたら、売上はどうなったと思いますか?
本書では有効な連想を作り出すための考え方として、差別化よりも親近感(さらに独自性)を出すこと、リアルよりファンタジーを見せること、複数のメッセージを連動させることなどが挙げられています。
メンタルアベイラビリティやプレファレンスが重視されるようになった中で、連想は人々の無意識に働きかけ、効果を発揮します。ぜひ本書でPRや広告に活かせる連想について学び、施策を考えてみてください。
目次
第1章 人間は「説得」できない
「説得」しようとしても意味がない
人は誰しも「肯定」されたい
脳は常に変化している
何も考えず、自動的に商品を買ってもらう
第2章 「直感」で買ってもらうために必要なこと
ブランドに対するプラスの連想を溜めていく
マインドシェアは誰も理解できていない
ブランドを手入れする
第3章 直感的選択を促すトリガーを活用せよ
心の引き金を引く
グロース・トリガーはすでに心のなかにある
6種のグロース・トリガーとその見つけ方
第4章 マイナスの連想を排除することでブランドは救える
マイナスの連想はこうして形成される
マイナスの連想はマイナス成長を生む
イナスの連想を取り除くことはできる
「偏見」を味方につける
第5章 「差別化」はやめ、「親近感」で勝負せよ
親近感のあるイメージを利用する
ライン拡張、続編、前日譚に共通するもの
「独自性」とは具体的に何か
ランドの刷新が大失敗に終わるのはなぜか
愛されキャラの退場がもたらした惨状
第6章 「メッセージはひとつに絞れ」は大きなウソ
メッセージは多ければ多いほどよい
「パーパス」をアピールしても効果はない
複数のギアのようにメッセージを連動させる
複数のメッセージをどう届けるのか
第7章 求められているのは「リアル」ではなく「ファンタジー」
ファンタジーをどう活用するか
心を制したものが市場を制する
有名人やインフルエンサーは起用すべきか
ファンタジーの悪用にご注意を
第8章 コア顧客の維持より新規顧客獲得に注力せよ
「コア顧客」の罠
真の忠誠心か、インセンティブによる忠誠心か
「顧客による口コミ」という幻想
新規ターゲット層がユーザーになってくれるとき
セグメンテーションは過去の遺物
第9章 マーケティングファネルを捨てよ
マーケティングファネルの失敗
脳の近道を使い、加速度的にユーザーを増やす
変えにくい行動をメタファーとユーモアで変える
第10章 やり方さえわかれば「不滅」のブランドを築ける
ブランドの何を変えて、何を変えないか
進化と成長を続けるための公式
ブランドのアイデンティティーが崩れないためにすべきこと
老舗ブランドをどう立て直すか