サービス認知度&来店頻度アップ!2つのLINE活用施策

施策の1つは、制限時間内にゲームを遊び放題で利用できる「よくばりパス」の利用促進、再来店促進施策だ。「よくばりパス」を使ってスタンプを3個獲得すると、次回使える「よくばりパス」30分無料クーポンをプレゼントした。
もう1つは、2本の動画を視聴するとインセンティブがもらえるというものだ。「よくばりパス」の認知拡大をめざした訴求動画と、モーリーファンタジーのキャラクター「ララちゃん」が子どもたちの夢をかなえる取り組み「ララ夢」の動画を2本視聴すると、メダルやクレーンゲームの1回分無料プレイなどお得なクーポンを付与した。
これら「スタンプ」「視聴回数」の達成はMygruで管理。裏側でLINEの識別子を基に個々のユーザーの行動を認識しており、どのような行動変化につながったかを可視化した。
「よくばりパス」の利用促進施策では、クーポンを獲得したユーザーのうち77%が再来店し、実際に「よくばりパス」の30分無料クーポンを利用した。つまり利用促進・再来店促進という2つの目的をほぼ達成できたわけだ。
もう1つの動画視聴によるサービス認知度向上についても、2ヵ月間の中で約2万5,000人が動画を視聴したという成果が出ており、認知度向上という目的に対してしっかりとした成果が得られたと言う。
こうした成果を得て、イオンファンタジーでは引き続きギックスとともに、MygruとLINEを活用した施策展開に注力していくと山下氏は語った。
継続購入が伸長!有効性を左右する「データ連携」
LINEのマーケティング活用に注力する企業がある一方で、チャネルとしてどう活用するべきかを悩む企業は少なくない。LINE公式アカウントを開設したのは良いものの、画一的なメッセージ配信をしているだけで、売上拡大やエンゲージメントの維持・向上に至っていないケースは散見される。
CAFEセッション「1st Partyデータ活用の新潮流:LINEのデータとCRM統合で実現する新しいマーケティング」では、まさにその点に焦点が当てられた。登壇したのは、LINEヤフーのテクノロジーパートナーであり、LINEの活用コンサルティング事業を営んでいるクウゼン 執行役員 COOの中里航平氏、LINEヤフー コーポレートビジネスカンパニー ビジネスデザイン統括本部 DXソリューション本部 DXディレクション部 部長の奥亮介氏だ。
奥氏によると、企業からLINEヤフーに寄せられる質問の中でも「顧客データをどうやって取得するのか」「どのように活用すれば良いか」の2つが非常に多いと言う。

マーケティングに向けて顧客データを取得するチャネルは様々だが、基本的には自社WebサイトやECサイト、ネイティブアプリが主軸となる。これに加えて、LINE公式アカウントやYahoo! JAPANなどを含む様々なオンライン接点でのデータ、店頭・イベントなどのオフライン接点で得たデータもデジタル化され、蓄積されていく。「こうして収集したデータを、LINEにどのように反映してマーケティング活動を進めていけば良いか、その転換手段に悩まれている企業は非常に多いと感じています」と奥氏。
このファーストパーティデータとLINEの“接点”となる手段を提供しているのがクウゼンだ。同社の中里氏は「CRMのファーストパーティデータとLINEを組み合わせれば、より大きな成果を生み出せます」と語り、事例を挙げた。
ある浄水器メーカーでは自社のファーストパーティデータとLINEを組み合わせ、カートリッジの継続購入施策を実施。すると、これまでLINE経由ではほとんど発生しなかったカートリッジの売上額が、一気に「8桁規模」の売上まで成長したと言う。どのような施策を行ったのか?