ユーザーとコミュニケーションを取るために、LINE公式アカウントや自社のネイティブアプリを接点にする企業は多い。しかし、アカウントの開設やアプリのリリース後は「一方的な情報発信にとどまっている」というケースも少なくない。そんな中、アプリを廃止してLINE一本に絞り、エンゲージメント強化を実現する企業や、LINEを活用した適切なコミュニケーションで大幅な売上拡大を達成する企業がある。2025年5月20〜21日、東京・六本木で開催された「Hello Friends! W!th LINEヤフー」では、そんな成功例についてLINEのパートナーであるギックス、クウゼンのセッションが行われた。その模様をレポートする。
自社アプリではLTVが上がらない?イオンファンタジーの課題
自社のモバイルアプリをリリースしたは良いものの、実際に運用を始めてみると、「どうやってコミュニケーションを取ったらいいのかわからない」「マーケティングにどう活かせるのかわからない」と悩む企業は非常に多いようだ。「Hello Friends! W!th LINEヤフー」のCAFEセッションに登壇したイオンファンタジーも、アプリ活用に悩んでいた企業の1つだと言う。
イオンファンタジーはイオングループに属するアミューズメント企業で、イオンモール内にある「モーリーファンタジー」などのファミリー向けアミューズメント施設を運営している。同社 グランドデザイン本部 デジタルコミュニケーショングループ ゼネラルマネジャーの山下和之氏によると、そもそも専門のCRMチームが立ち上がったのは2022年のことだ。
「CRMを進めるにあたり課題は大きく2つありました。1つ目はモーリーファンタジーでは、クレーンゲームや乗り物などに100円硬貨を投入して遊ぶゲーム機を提供しています。それぞれのゲーム機が独立していることから、お客さまがいつ、いくら使って遊んだという行動データを取得することが難しいという課題です。2つ目は会員の属性データを集めるためにアプリを開発しクーポンを配信することでアプリ会員を集めていましたが、アプリをダウンロードして会員登録をしてくれるお客様が少ないという課題がありました。
当社施設はファミリーの利用が多く、幼児、小学生、中学生、高校生と子どもが成長する中、常に遊び場として選んでいただけるようにするにはどう働きかけるべきか、会員数をどのように伸ばしていくか、改めて戦略を見直す必要がありました」(山下氏)
そんな同社が選択したのは、自社アプリを止めることだった。「モーリーファンタジーをご利用いただくお客様は『買い物や映画のついでに遊ぶ』というお客様も多いため、登録も簡単で来店した時に使いやすいLINEがお客様にとって最適なのではないかと考えました。またミニアプリなど様々なツールとの連携が簡単でお客様のニーズに合わせたサービスを提供しやすいというのもLINEへの移行を選択した理由です」と山下氏は話す。
施策設計から成果分析まで「Mygru(マイグル)」を活用
こうして注力チャネルを自社アプリからLINEに切り替えたイオンファンタジーは、2024年3月にLINE公式アカウントをリリース。店舗内で地道に友だち集めを展開し、1年間で120万人の友だち数を獲得、ブロック率は8%台という成果を出している。こうして収集したファンベースを基にアンケートを展開するなど、今まさにマーケティング活動を進めている最中だと言う。
イオンファンタジーのLINEを通じたマーケティングにおいて要となっているのが、LINEミニアプリ、そしてギックスが提供するマーケティングツール「Mygru」との連携だ。
山下氏とともに登壇したギックス Data-Informed事業本部 Mygru Div.の小川有奈氏は、Mygruについて次のように説明する。
「Mygruは、オフライン・オンラインの行動データを可視化・分析し、顧客理解と最適化のサイクルを実現するマーケティングツールです」(小川氏)
たとえば具体的な使い道の1つが、ミッションクリア型コミュニケーションだ。ユーザーに対して『3つの異なる店舗で買い回りをする』『2種類の動画を視聴する』といったミッションを設定し、それをクリアしたユーザーにインセンティブを付与、その後ユーザーがどのような行動を取ったかを追跡してそのデータを蓄積し、分析ができるのだと言う。
イオンファンタジーも、全国400店舗においてサービス利用の促進や、サービスを訴求する動画視聴を促し、ユーザーの来店行動を促進した。実際に展開された施策は2つある。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
岩崎 史絵(イワサキ シエ)
リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
提供:LINEヤフー株式会社
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
