売上に効いた施策設計とは?「既存データ×LINE」の事例

元々その浄水器メーカーでは、浄水器購入者の個人情報や購入品をCRMで管理していた。そしてLINE公式アカウントの追加案内を行う際は、購入した浄水器の種類やカートリッジの交換サイクルをアンケートで自己申告してもらっていたと言う。そのため、回答はするものの交換時期を誤って認識していたり、そもそも回答しない購入者が多数いたりなど、データが不十分で良いコミュニケーションを取れなかった。
そこで、この浄水器メーカーが行ったのは、購入者がLINE公式アカウントの友だちをする時、アンケートでメールアドレスのみを入力してもらうという変更だった。そのメールアドレスをキーにして自社CRMに格納されている顧客データとLINEのIDを連携させ、顧客データに紐付くカートリッジの購入サイクルに合わせてリマインドを送る、という仕組みに変えたのだ。ただし、それにはCRMとLINE公式アカウントをAPIデータ連携することが必要であり、クウゼンが提供するLINE拡張プラットフォーム「クウゼン(KUZEN)」を導入、設計した。
メールアドレスのみのアンケート入力に変更したところ、パーソナライズの精度が大幅に向上。購入者の入力負荷も軽減され、継続率もアップして売上が上がるという三方良しの結果となった。
LINEとファーストパーティデータの組み合わせが有効なのは、こうした部品交換ビジネスモデルだけではない。ある人材紹介会社では、ユーザーにLINE公式アカウントの友だち追加を促す際に希望職種や給与などの条件をアンケートで取得している。裏では求人データベースとLINEをクウゼン(KUZEN)でAPI連携させており、アンケートの情報を基に該当する求人案件を抽出してメッセージで案内を送るという取り組みを実施している。
そのほか、フィットネスジムやオンライン英会話サービスのように、トライアルから実際に利用を開始するまでの時間軸が長いサービスにもこの施策は有効だ。たとえばオンライン英会話の無料レッスンを受けたものの未入会のユーザーに対して入会を促すメッセージを送る、入会はしたものの最近になって利用回数が落ちているユーザーにクーポンを配布するなど、そのユーザーの状態をCRM経由で把握しながら施策を出し分けることで、LINEのコミュニケーションの精度が上がる。
継続型のビジネスにとって、初心者をロイヤルユーザーに育てることは事業の根幹と言える。そのプロセスを、自社CRMとLINEをAPI連携して自動化させることで、工数をかけずにパーソナライズの精度が上がり、担当者の負荷も大幅に軽減させながらビジネス上の成果を上げられるわけだ。
LINEの真価発揮を阻む2つの共通課題と打開策

ただ、CRMにあるファーストパーティデータとLINEを連携させるにはいくつかハードルがある。どのデータをどのように活用し、どんな施策を打つべきなのか。その仕組みをどのように構築するのか。多くの企業が悩むのはこの2点だ。
中里氏は「多くの企業が悩むまさにその領域がクウゼンの得意分野です」と話す。API連携を司るKUZENは、よく企業で利用されている主要データベースに対応しており、迅速にシームレスなデータ連携の仕組みを立ち上げられる。そのうえで、どのデータを活用してどのような施策戦略を打つかについては、豊富な実績を基に丁寧なコンサルティングで対応すると言う。一歩進んだコミュニケーションを実現してビジネス成果を上げるために、ファーストパーティデータとの連携施策は鍵となる。
いずれにせよ、LINE公式アカウントの活用にはまだまだ伸びしろがある企業は多いようだ。
※記載の役職・所属は記事公開当時のものです
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