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注目マーケティングトピックス2025

SalesforceがAIエージェントと描く「Agentic Marketing」の未来

AIエージェントで変わる「マーケティングキャンペーン」のライフサイクル

 Marketing Cloud Nextでキャンペーンがどう変わるのか。メインキーノートでは、米フォード・モーターの商用車両事業会社Ford Proの協力を得て作成したビジョンデモで、Agentic Marketingの目指す姿の紹介があった。デモは以下の4ステップで展開し、それぞれをAIエージェントがサポートすることが示された。

1. キャンペーンの立ち上げ

 通常、キャンペーンの企画から実行までの準備には数週間から数ヵ月を要するが、Agentforce Campaign Creationを利用すると、数時間でキャンペーンの展開準備を終わらせられるように変わるという。まず、キャンペーンの全体像を策定する。続いて、ターゲットセグメントの抽出、メールやSMSのコンテンツ作成、Flowでのカスタマージャーニーの設定を行う。このFlowとは、旧Marketing Cloud時代のJourney Builderに代わって、Marketing Cloud Nextを支えるオーケストレーションエンジンに該当する。一連のプロセスをマーケターはAIエージェントに相談しながら進めることができる。

2. 見込み客とのエンゲージ

 冒頭でケルマン氏が述べたように、「Do-Not-Reply」型のメッセージでは、カスタマージャーニーを前に進めることは難しい。Marketing Cloud Nextでは、一方通行で終わっていたコミュニケーションを、AIエージェントのサポートで、双方向のコミュニケーションに変える。Agentforceとの常時接続で、見込み客との対話が文脈に則したものに変わるだけではない。Agentforce Web Curationが、ビジターのコンテキストと行動に応じてレイアウト、メッセージ、推奨内容を動的に最適化してくれるので、Web体験が従来のWebページへのリンクを提供するパーソナライゼーションから、その場での直接的なパーソナライゼーションに変わる。

3. リードの精査

 BtoBマーケティング界隈でよく聞く悩みに、「マーケティングが渡したリードを営業がタイムリーにフォローしてくれない」というものがある。24時間365日体制ですべての見込み客に対応できるのは、Agentforceの強みだ。言語の制約もない。Agentforce Lead Generation & Managementを使うことで、人間のマーケターに代わって自動的にリードナーチャリングプログラムを展開し、すべてのリードのスコアリングを行い、スコアに応じてアクションを実行する。見込み客の熱量の高まりに水を差すことなく、スピード感をもっての対応が可能になる。

4. キャンペーンの最適化

 マーケターは同時並行で多くのキャンペーンを展開している。本来であれば、1つひとつのパフォーマンスを評価し、途中でのチャネルの変更、より多くのROIが期待できるキャンペーンへの支出増などのアクションを実行したいところだが、現実にはそれが難しい。この状況を変えるのがAgentforceである。Agentforce Paid Media Optimizationは、広告のパフォーマンスを継続的に監視し、パフォーマンスの低い広告の一時停止や、予算配分の見直しを提案してくれる。また、Segment Intelligenceは、最も高いROIをもたらすターゲットオーディエンスを特定し、キャンペーンを微調整することができる。

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「Agentic Marketing」はどこから始めるべきか?

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタントとして活動中。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/07/02 08:00 https://markezine.jp/article/detail/49402

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