SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

注目マーケティングトピックス2025

SalesforceがAIエージェントと描く「Agentic Marketing」の未来

7月に「Marketing Cloud Next」を提供へ

 Agentic Marketingのビジョンを多くの企業が実現できるよう、セールスフォースは製品アーキテクチャーを見直した。マーケターとAIエージェントが協働する新しいマーケティングのための仕組みをケルマン氏は「Agent Marketing Stack」と紹介した(図1)。このテクノロジースタックは、一番下のメタデータプラットフォームから始まり、Data Cloud、後述するMarketing Cloud Next、Agentforceで構成されている。

Agent Marketing Stackの構成要素
図1:Agent Marketing Stackの構成要素(出典:セールスフォース)
※クリックすると拡大します

 「このスタックの特徴はオープンであること」とケルマン氏は強調する。Data Cloudには、400超のデータソースへのコネクターが用意されている。また、Marketing Cloud Nextでは、メール、メッセージングアプリ、Web広告などのチャネルへの接続、AgentforceではGeminiやGPTのような汎用LLMだけでなく独自構築のLLMへの接続が可能だ。

 そして、このスタックの中でもイベントの目玉として取り上げられたのが、2025年7月から一般提供を開始する「Marketing Cloud Next」である。元々、Marketing Cloudは、2013年に買収したExactTargetを中核とする製品で、その後に買収した複数の製品の統合を経て、強化を続けてきた。世界的に多くのユーザーを抱える。一方、新しいMarketing Cloud Next は、Agentic Marketingを実現できるよう、Data Cloudを組み込んだマーケターのための次世代アプリケーションになる。

次世代Marketing Cloudとして提供するMarketing Cloud Next
図2:次世代Marketing Cloudとして提供するMarketing Cloud Next(出典:セールスフォース)

 Marketing Cloud Nextにより、顧客体験は大きく変わる。というのも、Data Cloudからゼロコピー/ゼロETLでデータにアクセスし、パーソナライズしたコンテンツを提供できるよう、パーソナライゼーションエンジンを再構築したためだ。また、Data Cloud上にMarketing Cloud Nextを構築したことで、マーケティング組織は、アッパーファネルの領域だけでなく、セールス、コマース、カスタマーサービスなどがカバーする領域も含め、ファネル全体へのシームレスな接続ができるようになった。

 Marketing Cloud Nextを提供開始するからと言って、旧Marketing Cloudがなくなるわけではない。これまでMarketing Cloudを利用してきた企業のマーケティング組織には、Journey Builderを使って作成した多くのキャンペーン資産が蓄積されている。新しくMarketing Cloudを採用する場合はNextから利用すればいいが、既存顧客に対しては、これまでのキャンペーン資産を流用したい場合に備えて、セールスフォースは2つのツールを併用できるようにした。

次のページ
AIエージェントで変わる「マーケティングキャンペーン」のライフサイクル

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
注目マーケティングトピックス2025連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタントとして活動中。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/07/02 08:00 https://markezine.jp/article/detail/49402

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング