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生成AI台頭時代に読んでおきたい、 コンテンツマーケティングの基本と実践

“ググる”に革命がやってくる⁉ Google「AI Mode」がもたらす、検索体験とSEOの変化

 Webの集客手法が多様化する中、「検索エンジンを使う人が減ったのでは?」と思う人も少なくない。特に昨今は、生成AIやSNSが注目されているが、Googleをはじめとした検索エンジンは今も主要な集客経路となっている。本連載では、ナイルのSEO研究所が、なぜ今でもSEOが重要なのか、そして次世代の集客戦略にどう活かすべきかを。第四回となる今回は2025年に登場した最新機能「AI Mode(AIモード)」について。同機能は、どのようなもので、SEOにどのような影響が出ているのだろうか。西脇氏に説明いただいた。

Google検索の新機能「AI Mode(AIモード)」とは?

 前回は、Google検索の新機能「AI Overviews(AIによる概要)」についてお話ししました。今回はその発展系ともいえる最新機能「AI Mode(AIモード)」をご紹介します。同機能は「Google自身が検索を破壊した」とまで言われ、米国全国紙や主要ニュースでも報じられるほど大きな話題を呼びました。米国では2025年6月13日頃からログイン不要で全ユーザーが利用できるようになっており、日本でもそう遠くないうちに実装されると見られています(2025年6月時点、日本では未実装)。

 また、AI Modeの登場は単なる検索流入の減少にとどまらず、SEO戦略そのものにも変化をもたらす可能性があります。このタイミングでしっかりとキャッチアップし、AI時代におけるSEOの見通しを立てていきましょう。

 「AI Mode」が初めて発表されたのが、2025年5月20日に米国で開催されたカンファレンス「Google I/O※」で、英語圏の全ユーザー向けに正式導入開始されることが明らかになりました。

※Google I/O:毎年5月頃に開催される開発者向けのカンファレンス。Googleの最新技術や研究成果が発表される。

 一言で言えば「Google検索から直接使えるGemini」といったところでしょう。前回紹介した「AIによる概要(AIO)」では、検索結果の上部に要約された文章が表示されましたが、AI Modeは検索結果とは独立したインターフェースになっています

 AI Modeの使い勝手は非常にシームレスで、従来のGoogle検索の上部に表示される「AI Modeタブ」をワンクリックするだけで利用可能。これまでChatGPTなどの生成AIを使ってこなかったユーザーでも、手軽に試せる仕様です。実際のインターフェースを見ると、GoogleがAI Modeを広く使っていただきたいという意図が随所に見られます。

 たとえば一度検索を行った後、再度キーワードを入力することなく、ワンクリックでAI Modeによる回答を表示できます。また、「AIによる概要」の下部には「Dive deeper in AI Mode」と書かれたボタンもあり、ワンタップでAI Modeに移行できる設計になっています。

質問の意図を読み解き、数十~数百の検索を行い推論・回答

 AI Modeでは、「クエリファンアウト」と呼ばれる手法が使われています。

  1. 入力された質問を細かく分解し、意図や条件を抽出
  2. それぞれをもとに数十~数百のクエリを並列で実行し、多様な情報源を取得
  3. 得られた情報をGeminiが統合・推論し、引用付きの段落として構成
  4. 必要に応じて追加質問や画像・動画、Gmailなどの個人コンテキストも活用し、会話形式で回答

 この仕組みは、私たち自身の検索体験を想像すると理解しやすいかもしれません。一度の検索では解決できず、キーワードを変えて何度か検索し、調べているうちに別の疑問が浮かんで追加検索した経験は誰しもあるはずです。クエリファンアウトはこの行動をAIが代行し、質問内容をもとに複数の検索を行ったうえで、統合された回答を提示してくれる仕組みです。

 AIOと異なり多種多様な情報から回答を生成しているため、通常の検索と比較すると表示速度は少々劣ります。実際に米国版GoogleでAIモードを使ったところ、体感的にはChatGPTのGPT-4oより少し遅く、GPT-o3よりは速いといった印象でした。その分だけ回答の精度は高く、AIOに見られがちな明らかな誤りは少なそうです

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この記事の著者

西脇 遼平(ニシワキ リョウヘイ)

 ナイル株式会社 SEO研究所所長

 4年間の個人サイト運営を経て、2021年にナイル株式会社へ入社。SEOコンサルタントとして3年間、ECサイトをはじめとする大規模サイトのテクニカルSEOや、企業オウンドメディア・ランキングサイトのSEO支援を担当。2024年よりSEO研究所長に就任し、社内でのSEO...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/07/02 09:00 https://markezine.jp/article/detail/49412

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