電通PRコンサルティングの企業広報戦略研究所は、非財務情報に関する企業コミュニケーション活動の実態と個人投資家の認識を明らかにすることを目的に、2024年に上場企業を対象とした「企業調査」、および株式保有者を対象とした「個人投資家調査」を実施した。
企業が、発信している/今後発信を強化したい非財務情報、1位が「人的資本」、2位が「社会・関係資本」
まず、現在発信している非財務情報について調査した。結果、1位は「人的資本(88.4%)」、次いで「社会・関係資本(79.9%)」となった。
次に今後発信を強化したい非財務情報について聞いたところ、同様に1位が「人的資本(70.4%)」、2位が、「社会・関係資本(69.4%)」であった。

また「今後発信を強化したい非財務情報」では、1位が「従業員が働きやすい制度設計を通じた従業員エンゲージメントの向上(49.3%)」に。トップ5のうち、3項目が「人的資本」、2項目が「社会・関係資本」であった。

個人投資家が発信をしていると感じる非財務情報、1位は「人的資本」
次に個人投資家が、発信をしていると感じる非財務情報を調査した。結果1位は「人的資本(53.0%)」、2位は「社会・関係資本(44.9%)」となった。また、「今後発信を期待する非財務情報」でも、上記「現在発信をしていると感じる非財務情報」と同様の順位となった。

「人的資本」「社会・関係資本」の両方が伝わると、魅力を感じる割合が約2.8倍に
最後に「人的資本」「社会・関係資本」について、その認識状況と企業に対して感じる、魅力の度合いとの関係性を分析した。なお同調査データは、「個人投資家調査」の結果を基に分析している。
結果、個人投資家が「人的資本」のみを認識している場合と比較し、「人的資本」「社会・関係資本」の両方を認識している場合とでは、企業に対して感じる「魅力」の全体平均より上回る割合が7.9ptから22.0ptへと、約2.8倍向上した。

【調査概要】
<企業調査>
調査対象:プライム市場、スタンダード市場、グロース市場に株式上場している企業(3,798社)※広告・PR業他社は除く
調査手法:郵送、およびインターネット調査を併用
調査期間:2024年5月19日~8月20日
有効回答数:533社(有効回答率14.0%)
<個人投資家調査>
調査対象:全国の20~69歳の男女 計10,000人のうち、「国内上場株」「国内上場株(NISA枠)」「海外上場株」「海外上場株(NISA枠)」のいずれかの株式保有者 n=3,680人
調査手法:インターネット調査
調査期間:2024年7月14日~7月24日
調査対象企業:20業界200社(業界ごとに500人ずつで調査)