地域行政との取り組みも強化
飯髙:地域との取り組みについてもうかがえますか?
石川:国立開催の当日には、静岡の伝統工芸施設とコラボレーションして制作したユニシャツを来場者35,000人にプレゼントしました。館長の杉山浩太さんが実はエスパルスの元選手で、そこもファンに響いたポイントだったと思います。
また、2024年の国立開催からは「ホームタウン・ファミリータウン選手PRチーム施策」を実施しています。選手を静岡県内の市町ごとにグループ分けして、国立開催時に地域のPR活動をするものです。選手が市町の特産品を持った写真を飾るといったプロモーションをしています。
結果、「清水エスパルスを通じてPRがしたい」と他の地域自治体も手を挙げてくれ、ファミリータウンも増えています。クラブを通して、特産物のPRはもちろん移住やU/Iターンのプロモーションができる点にメリットを感じてくださっています。
当クラブとしても、行政だけではなかなか解決できない課題に力をお貸しできるように、来年に向けて企画をパワーアップしていきます。
ファンの発信をつかみ、施策にいかす
飯髙:多くの場合、イベントを開催しても、その場限りで終わってしまいがちです。しかし国立開催の場合は、開催前と当日だけでなく、開催後もいろいろな良い影響が出ていると思います。地域自治体のPRも一例ですが、たとえば、「国立開催の試合に行ったよ」と、開催後も会話が続くことが想定できます。
そして、清水エスパルスさんはSNS上のファンの会話や行動をチェックするだけでなく、ファンが楽しめる形にアウトプットし、集客につなげている点も素晴らしいですね。もちろん、清水エスパルスというクラブの強さはありますが、その姿勢は他領域の企業でも必要だと思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
Jリーグの取り組みを深堀り!
本連載ではサッカークラブの取り組みをご紹介していますが、リアルイベントMarkeZine Day 2025 Autumnでは飯髙悠太さんがJリーグの取り組みに切り込みます!ぜひ、あわせてご覧ください。
