口コミの創出に寄与するSNSの施策例3つ
UGC分析とオーガニック投稿への反映
自社の施設について、どのようなUGCが出ているかをチェックし、自社アカウントからの発信に反映することも重要です。まずは、固有名詞や「地名 観光」などのワードで、どのような層からどのようなUGCが出ているかをエゴサーチしましょう。
企業側では当たり前になっていることでも、UGCによって「ここは、写真を撮りたくなるスポットなんだ」と気付きを得られることもあります。UGCをヒントにした発信は、ユーザーからの共感も生まれやすいです。

ユーザー参加型施策の実施
前述した通り、ホテルへの宿泊や観光は特別感のある体験なので、思い入れの強いユーザーやコアなファンがいる場合も多いです。そこで、ハッシュタグなどを活用して、施設を利用した際の思い出などを語ってもらうように呼びかけるのも効果的です。
フォトジェニック要素の積極的な発信
おしゃれな部屋や美しい景色など、フォトジェニックなものは高確率で「行きたい」「泊まった」というUGCが生まれます。こうしたビジュアル重視の発信は現在では業界全体で一般的になっており、もはや定着した手法と言えるでしょう。しかし、定着しているからこそ「当たり前」として済ませず、引き続き意識的に取り組むことが重要です。
既にフォトジェニックな要素があるなら、まずは写真や動画を添えて、しっかり発信しましょう。利用者が「ここに行けばこんな写真が撮れるんだ」とイメージしやすくなることで、来訪の動機づけになります。
一方で、もしも「映える」要素が少ない場合でも、写真映えする食事メニューの開発や、フォトジェニックなスポットを巡る観光プランの設計など、工夫次第で用意することが可能です。内装を大きく変えずとも、ポイントを絞った改善や演出で、自然と「撮りたくなる」体験を生み出せます。
施策を検討する際は、「たくさん写真を撮ってもらう」「〇〇という感想を投稿してもらう」といった利用者に起こしてほしい行動から逆算する視点が大切です。小さな工夫でもユーザーの行動を後押しするきっかけになれば、その投稿が次の来訪者の参考になり、さらに新たなUGCを生むというポジティブな循環につながります。
体験価値こそがSNS成功のカギ
宿泊・観光業界に限らず、SNS施策の成否は、SNS上の打ち手だけで決まるものではありません。SNSは、あくまで体験価値の「受け皿」です。現地での体験が充実していなければ、どれほどSNSで発信しても支持は得られません。
自社のどこに強みがあるのか、体験者がどんな感情や価値を得ているのか。3つの観点での分析に加えて、SNS上のUGCやレビューサイトに投稿されている口コミも参考になるはずです。ユーザーの声に耳を傾け、磨き上げた体験価値をSNSでもしっかり伝え、次のUGCへとつなげる。そうした循環を作ることが、ホテル・観光業界のSNS活用における最大のポイントと言えるでしょう。