広告接触者の購入率は「非接触者と比べて3倍近く」に
また、同社が今回のPrime Video広告におけるインプレッションを視聴デバイス別に比較すると、テレビ画面がスマートフォンやPC、タブレットを上回っており、「リビングルームで、家族で相談しながら購入を検討する」層に向けたアプローチとして適していたこともわかった。
さらに、コンバージョンまでの行動を分析すると、Fire TV広告への接触者のパーチェスレート(購入率)は非接触者に比べて3倍近く高くなっていることや、Prime Video広告、Fire TV広告、Twitch広告のいずれかに初回接触しているケースの占める割合が、全コンバージョンうち6割を超え、よりコンバージョンに近い下部のファネルでも効果を発揮している可能性が高い。
「Prime Video広告、Fire TV広告には、認知の量と質の向上を期待していましたが、コンバージョンにも有効であることは嬉しい驚きでした」と豊泉氏が言うように、認知から購買までの橋渡しが実現できた格好だ。

このような実効性はキャンペーン期間中にも確認できるので、タイムリーに最適化を行える。
Amazon Adsの効果を定量的に把握し精度を上げる
アイロボットのほかにも、Amazon Adsを活用して、戦略的にフルファネルマーケティングに取り組む企業がある。そこで得られたいくつかのインサイトを中村氏が紹介する。

まず、アイロボットのように動画広告に着目し、その効果を実際に分析した例だ。
Amazonのストアを販売チャネルとして利用しているA社は、Amazon Adsとテレビ広告との接触重複調査を行ったことで、Fire TV広告の接触者のうち約4割はテレビ広告非接触者であることがわかり、認知におけるFire TV広告の有効性を確認できている。また、Fire TV広告とテレビ広告の重複接触者は、テレビ広告単体への接触者と比較した場合、Amazonのストア内での購買率が7.5倍にもなっていることも確認できた。これは、Fire TV広告はインプレッションだけでなく、よりコンバージョンに近い下部のファネルでのパフォーマンスにも寄与することを示唆している。

※Feature Rotator:Fire TVユーザーインターフェイスの最も目立つ掲載枠
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またB社は、Amazon Adsとテレビ広告による接触が自社サイト来訪に及ぼす効果を分析し、Fire TV広告の接触者が自社サイトを来訪する割合はテレビCM接触者の約4倍(+300%)であること、重複接触者は約4.5倍(+350%)であることを可視化し、Amazon Adsの利用が自社ストアへの流入に効果的であることを確認できた。このB社はAmazonのストアでは販売がないカテゴリ(金融や自動車など)の企業である。この事例からAmazon Adsは、Amazonのストアで販売していないカテゴリの認知を高めコンバージョンを促すツールとしても、有効であることを示したと言える。

続いて、動画以外のAmazon Adsが「Amazonのストア内外でのコンバージョン」に与える影響についてだ。