博報堂DYホールディングスは2025年8月4日、経営層を起点として全グループ社員のAI活用を促進するため、AI活用に精通した若手社員が経営層へ指導を行う「AIメンタリング」制度の運用を開始したと発表した。
博報堂DYグループでは2024年4月、AIの社内外研究や技術開発拠点として「Human-Centered AI Institute(HCAI)」を設立。2024年度は延べ8,500名超の社員に生成AI研修を行い、社員のAI理解を進めてきた。一方、HCAIが実施した「AIと暮らす未来の生活調査2024」では、AI活用度は若手が高い一方、50代以上では10%程度にとどまっていることが明らかになった。
こうした背景を受け、博報堂DYグループは現場の若手社員から「AIメンター」を選出し、AIツールのトレーニングや最新情報の共有を経営層とペアワークで実施する制度を導入した。AIメンターはエンジニアではなく、メディア・営業・マーケターなど事業現場の社員が選ばれている。経営層はAIメンターのサポートにより、業務に直結するAI活用法や効果的なプロンプト作成など、実践的な知識を習得する。また、経営層は自身の経験や知見を若手社員に提供し、相互補完による成長を目指すのが特徴だ。
テストケースの実施では、経営層の月間AI利用回数が約3倍に増加。業務時間の削減のみならず、AI活用によるクリエイティビティ向上や、若手社員によるマーケティング支援への期待が高まっている。
今後は「AIメンタリング」の対象をグループ全社に拡大し、全社員のAI知識・リテラシー向上と、AI実装による企業のマーケティング支援高度化を進めるとしている。
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