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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

事例を通して見る世界のマーケティング/ブランディングのトレンド

ライフサイエンスが広げるブランドの可能性。事例で見る“健康観”の変化と潮流

自己催眠ケア、フィットネスホテル…次世代の自分らしい健康管理

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 予防医療の分野では、近年「自己催眠」が有効な手法として注目されます。そこでOneleafは、神経科学と催眠療法に基づき、スタンフォード大学とアプリを開発。音声ガイドによる15〜30分のセッションで深いリラクゼーションと集中状態へ導き、ポジティブな変化を促します。禁煙、ストレス軽減、睡眠改善、体重管理、自信向上など、目的に応じたパーソナライズされたプログラムを通して、ユーザーの一人ひとりに最適なケアを提供しています。

 個別ウェルネスの事例としては、2024年にドバイで開業した次世代型フィットネスホテル「SIRO One Za’abeel(シロ・ワン・ザアビール)」が注目を集めました。SIROは、ラグジュアリーホテルの快適さと、最先端のウェルネス・フィットネス・リカバリー科学を融合させた施設で、滞在者の体組成分析に基づき、個別のトレーニングプランを提供。まさに、科学的なアプローチで「自分だけの健康体験」を実現する場所として人気を博しています。

 食事面でのパーソナライゼーションも進んでいます。イギリス発のヘルステック企業「ZOE(ゾーイ)」では、自宅で使える検査キットとスマートフォンアプリを組み合わせたサービスを提供しており、ユーザーの腸内環境や血糖値などを科学的に分析。その結果に基づいて、個人に最適な食事や生活習慣を提案しています。

 このように、テクノロジーとデータの力によって、私たちの健康や暮らしはより「自分らしく」整えられる時代へと進化しています。

(2)感覚の拡張・保護:Kia「Soundscapes」

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公式動画より

 多くの人にとって、旅先で目にする風景は心を動かすものです。しかし、世界には1億人以上の視覚障がい者が存在し、彼らは車窓からの美しい景色を体験できていません。

 この現実を変えるために、Kiaは世界初となる「風景を音楽に変換する車」Kia Soundscapesを開発。このプロジェクトには、データアナリスト、神経科学者、サウンドデザイナーなど、様々な専門家が参加しました。

 その仕組みはシンプルで革新的です。車が走行する中で、先進運転支援システム(ADAS)のカメラが周囲の自然要素━━たとえば木々、山、湖などを検知。それらをリアルタイムで音に変換それぞれの自然要素には、サイズや質感、動きを感じさせる楽器の音が割り当てられ、風景そのものが音楽として描き出されるのです。

 Kiaのブランドパーパスである「Movement that inspires(動きからインスピレーションが生まれる)」が体現された技術ですが、「感覚を拡張するテクノロジー」を搭載することによって新たな乗車体験を生み出した好事例となっています

 ライフサイエンスによる感覚の拡張は、私たちが日々さらされている有害物質や環境ストレスへの意識の高まりを背景に、「身体を守る」「空間をクリーンに保つ」といった方向でも進化しています。

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 たとえば光という要素。IKEAはデザイナーのサビーヌ・マルセリスと協力し、彫刻のようなフォルムを持つ照明コレクションを展開。光や形のアクセントを通じて、空間に安心感や落ち着きをもたらすデザインを実現しました。

 また音という視点では、Land RoverがSilentium社のノイズキャンセリング技術を新型車種に搭載。車内の静けさを高めることで、ドライバーの疲労を軽減し、事故リスクの低下にもつながると期待されています。

 このように、感覚的要素は多くのブランドから注目されており、単なる快適性の向上にとどまらず、安全性や健康にも直結する重要なトレンドとなっています。

次のページ
(3)自宅=ヘルスケアセンター:Eurofarma「Baby Minder」

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この記事の著者

北市 卓史(キタイチ マサシ)

HAVAS JAPAN 株式会社   Executive Director

営業職をベースに、国内と海外にて広告代理店の会社/新規事業立ち上げに従事。2022年より世界149カ国にオフィスを展開する広告代理店であるHAVAS社の日本法人の現職に就任。多様性のある職場や働き方、他国オフィスとのオペレーシ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/08/29 08:00 https://markezine.jp/article/detail/49751

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