プロジェクト単位で組織を形成するIVRy
――最初に、IVRyのサービスや、森本様と宮嵜様それぞれのお立場についてお聞かせください。
森本:当社は、対話型音声AI SaaS『アイブリー』を展開しています。たとえば飲食店に導入した場合、「明日18時から3名で予約したい」と電話がかかってきたら、AIがお店の予約状況を確認して、音声で「18時は満席ですが19時であれば空いています。いかがされますか?」というような返答をしてくれるプロダクトです。
他にも、通話内容の録音・文字起こしや、要約・分析した内容を顧客管理ツールにリアルタイムで連携することもできます。これまでは活用が難しかった通話という非構造データを、経営資源として活用できるようにするところまで支援しています。『アイブリー』を導入いただいている累計アカウント数は4万件を超えています。
私自身は『アイブリー』のインサイドセールスマネージャーを担当しており、最近できたミッドマーケット事業部のインサイドセールスの立ち上げもしています。
宮嵜:私はプロダクトマネージャーとして、『アイブリー』の既存機能の改善や、新機能の開発を担当しています。あわせて、LPの改善や申し込み導線の最適化など広義のプロダクト体験の設計にも携わっており、その一環として『イメディオ』の導入も担当しました。
――IVRyのインサイドセールスやマーケティングチームの体制はどのようになっていますか。
森本:全体としては、基本的にいわゆるThe Modelと同じなのですが、当社では部署を明確に設けておらず、あくまでプロジェクト単位での組織運営をしています。そのため、インサイドセールス部やマーケティング部といった部署はありません。
宮嵜:プロダクト組織においても、プロダクトマネージャー(PdM)やデザイナー、エンジニアに加え、解くべき課題に応じてインサイドセールスやマーケターなども加わる職種横断のプロジェクトを組成しています。課題に対して最適なチームで向き合える体制が特徴です。
「決まる商談が増える」、有効商談オートメーション『イメディオ』とは?
――続いて、イメディオはどのような企業なのか、お聞かせください。
浜田:当社は創業4期目のスタートアップ企業で、有効商談オートメーション『イメディオ』を展開しています。顧客との接点が発生した瞬間に商談オファーをすると、実際に商談につながる確率が高いということがわかっており、『イメディオ』はそれをシステムで自動化したプロダクトです。
サービスページや展示会、資料閲覧など、それぞれの見込み顧客との接点において、『イメディオ』から商談オファーのポップアップを出して、サービス検討中の見込み顧客がワンクリックで商談を確定できるようにしています。その際、受注確度が高い顧客を優先して、商談設定することも可能です。
「電話営業を受けたくない」顧客へいかにアプローチするか?
――IVRyのセールスプロセスの具体的な強みと、その強みがありながら『イメディオ』を導入された背景を教えてください。
森本:IVRyのインサイドセールスは、メールマーケティングが徹底的に磨かれていることが強みです。実際にインサイドセールス担当を介在させずに、約4営業日分の商談目標数をインサイドセールスの介在なしに、テックタッチで獲得しています。
テックタッチに注力した背景としては、『アイブリー』のプロダクト特性が深く関係します。IVRyに問い合わせていただくお客様の半数は「不要な営業電話に出なくて済むようにしたい」という動機でお問い合わせをいただきます。つまり「営業電話を受けたくない」という見込み顧客に対して、顧客体験を配慮しながら電話以外の「顧客から信頼残高を獲得していくコミュニケーション手法」を確立する必要がありました。
加えて当時、日中ではなく夜間や早朝に問い合わせいただく顧客リードが一定数増えていたという点もあります。その時間帯はインサイドセールスがリアルタイムで介在できないのでアプローチが遅れてしまい、一時的ではありますが商談獲得率が減少していました。そこで、さらにテックタッチを用いたコミュニケーションを磨く必要があると考えたのです。
そこで、様々なツールを模索した結果、『イメディオ』が一番、親和性があると判断したのです。当社では『イメディオ』を資料請求のチャネルや、インバウンドとして能動的に問い合わせいただく見込み顧客との接点で活用しています。
リードの優先順位に合わせて、商談タイミングを設定できる
――良いリードとそれ以外のリードを『イメディオ』ではどのように区別して、アプローチできるようになっているのでしょうか?
浜田:『イメディオ』には様々な機能がありますが、代表的なものとして、見込み顧客の属性によってリードを区別し、商談タイミングを設定できる機能があります。
たとえば、見込み顧客が問い合わせをするWEBフォームには、業種・役職といった入力項目が存在する場合が多いですが、すぐに価値提供が可能な業種・役職であれば、その場で商談オファーできます。フォーム情報では有効商談になるか判断できない場合は、無理に商談オファーのポップアップを出さないという分岐を組むことも可能です。
お互いにメリットがある見込み顧客とだけ商談設定できる仕組みが、『イメディオ』にはあります。またより高度な機能として、顧客管理ツール内のメールドメインや法人番号などの情報と突合による既存顧客かどうかの自動判定、AIを活用したプロンプトによる差配なども可能です。
『イメディオ』導入で有効商談獲得数が2倍に増加
――IVRyが『イメディオ』を導入して、どのような成果が出ていますか?定量と定性の両面からお聞かせいただけますか。
森本:定量的な部分で一番わかりやすいビフォーアフターは、全体の商談数に対して、テックタッチで獲得した商談の割合が半年で2倍に伸びたことです。イメディオを組み込むWEBフォームや、問合せをされる見込み顧客の属性に応じてオファーする商談の形式や説明文を細やかに作り込むことで、お客様が商談することの価値を自分で判断してご予約いただけるようになりました。
定性的な側面では、『イメディオ』を導入したおかげで、インサイドセールス1~2人分の工数を削減できました。増加するリードに対して、アプローチ漏れがなくなった、という効果もあります。
また、2:6:2の法則(上位顧客・中間顧客・下位顧客の顧客比率が2:6:2になる)で考えると、『イメディオ』が自動的に商談設定してくれる顧客は、温度感の高い上位顧客です。そのため、インサイドセールスは上位の「2」に介在する必要がなくなり、中間層である「6」の見込み顧客に注力できるようになりました。
宮嵜:マーケティングの観点では、『イメディオ』の導入によって、攻めの施策が打ちやすくなりましたね。
『イメディオ』の導入前は、リードを短期的に増やす施策アイデアがあっても、インサイドセールス側がリード増加に対応しきれないため、施策を試しづらい状況がありました。しかし導入後は、人を介さず商談を獲得できるようになったことで、リードの増加に備えて人員を大きく増やす必要がなくなり、よりフットワーク軽く施策を試せるようになりました。
また、営業生産性が上がったことで1顧客獲得あたりのセールスコストが下がり、その分のコストをマーケティングに回せるようになったため、これまでチャレンジできなかったチャネルにも取り組めるようになりました。
――浜田さんから見て、IVRyがうまく『イメディオ』を活用できているポイントはどこですか?また、『イメディオ』と相性が良い企業の特性とは何だとお考えですか。
浜田:IVRyさんの素晴らしいところは、マーケティングとインサイドセールスが一体になって活動している点です。マーケティング側も主体的で、たとえばWEBサイトに埋め込むタグと手順書をお渡ししたら、週明けには設定を概ね完了されていました。このスピード感は他に類を見ないと感じます。
『イメディオ』の導入効果を感じやすい企業は、IVRyさんと同様に、顧客層が広かったり、見込み顧客が平日日中は忙しくてアプローチしきれなかったり、という悩みを抱える企業が挙げられます。そのような企業に対して、顧客体験の向上や歩留まりを上げるために、広くお役立ちできると考えています。
フリープランからのアップセルでも活用していきたい
――IVRyでは『イメディオ』を活用して、今後どのように事業を発展させていきたいとお考えでしょうか。
森本:当社としては、もっとAIが身近に使われるようになるための一つの手段として、電話という業務領域への貢献を加速させていきたいと思っています。そのために、当社ではフリープランをリリースし、誰でも0円から『アイブリー』を利用いただけるようにしました。
フリープランを設けたことでリード数の増加が見込まれます。セールスの効率をより上げるために、テックタッチ活用の重要度はさらに上がります。そこで、『イメディオ』の機能をうまく使って、たとえば、「フリープランに登録したが、複雑な運用を想定しているため、いち早く運用支援を受けたい顧客」つまり、顧客にとって「商談という場で会話をした方が、情報収集の業務や早く終わるため、楽になる」という方々をフォームでの選択項目で特定しながら、『イメディオ』経由ですぐに商談の場をご提供できるような顧客体験の流れを作れたらと思います。そうすれば、当社としてもセールスプロセスの効率化が進むと見込んでいます。

――immedioとしては、IVRyはじめクライアントにどのような価値提供をしていきたいとお考えでしょうか。
浜田:これまで以上にいろんな場面で利用いただけるように、機能やプランをアップデートしていきたいと考えています。
『イメディオ』では、見込み顧客が資料を読んでいるタイミングや、資料を読んだ結果をAIが分析して、見込み顧客が興味を持っている箇所をインサイドセールスに共有してくれる『イメディオボックス』をリリースしました。このように、これからは先ほど森本さんがおっしゃった2:6:2の法則のうち、上位の「2」だけではなく、「6」のインサイドセールスの主戦場でも、お役に立てるプロダクトになっていきたいです。

                    
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                    
                                    
                                    
                                    
                                    
                                    
                                    
                                    
                                    
                                    
                                
                                
                                
                                
              
            
        
                    