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MarkeZine Day 2026 Spring

AI時代の「攻め」のMeta活用術(AD)

ユニリーバ「ダヴ」、プレミアム化で若年層に人気 購入意向10倍リフトを実現したMeta広告活用法

 ユニリーバのブランド「ダヴ(Dove)」は、いかに若年層になじみのあるブランドになるかという課題を抱えていた。そんなブランドイメージの転換点となったのが、従来の約10倍の高単価製品であるボディケア製品「ダヴ ふわとろクリーミースクラブ」だ。同ブランドは、若年層の関心をつかみSNSで拡散した勢いを高めるため、Metaのパートナーシップ広告を活用。同カテゴリー平均の10倍という、驚異的な購入意向リフトを実現したという。この施策の舞台裏を、ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社の前納有紀子氏、小澤晴花氏、Meta アカウントマネージャー 木崎紘美氏が明かした。

ユニリーバのマーケティング戦略「Social First」の本質

──ユニリーバは、グローバルで「Social First」を掲げていますが、単にソーシャルメディアへの投資を増やすということではないそうですね。その真意をお聞かせください。

前納(ユニリーバ):私たちは、2025年から「Social First Demand Generation」という戦略でコミュニケーション活動を進めています。これは、人々の興味関心に寄り添って、ブランドプロモーションを行い、需要を喚起するというアプローチです。

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ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社 パーソナルケア コマーシャルリード 前納有紀子氏

前納(ユニリーバ):AIやアルゴリズムによって、人々が情報や時間を自分の興味あるもの中心に消費する傾向が強くなってきています。そんな環境の中で選ばれるためには、「絶対欲しい!」という強いニーズと共感を呼び起こす必要があります。そのため、人々の興味関心に沿ったブランド接点を作るべく、ソーシャルメディア、特にインフルエンサー活用に注力しています。

 そしてこの戦略は「効率を上げるか」という視点も重要です。投資が増えるのは理想ですが、「現状の予算で最適な分配を行い、投下するメディアの質を高めてリターンを最大化する」よう改善を重ねているのが現在の状況です。

小澤(ユニリーバ):補足すると、「Social First」は「消費者それぞれの興味関心に合わせたコミュニケーションをしましょう」という、本質的な意味合いが強いです。人々の興味関心に寄り添うことが、この戦略の核となっています。

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ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社 パーソナルケア コミュニケーション&メディア アシスタントマネジャー 小澤晴花氏

「ダヴ」が狙うプレミアム化、ヒット商品は約10倍の価格帯

──「Social First」という方針の中で、当時「ダヴ」ブランドはどのような課題を抱えていたのでしょうか?

前納(ユニリーバ):ダヴは、長年マス市場で親しまれてきました。そのため若年層からは「イチキュッパの詰め替えを売るブランド」というイメージが強かったと思います。それもあってか、ダヴのボディウォッシュの広告コミュニケーションにおいて、エンゲージメントの獲得は困難でした。

 これに対し、ダヴ製品の平均価格帯の約10倍の「ダヴ ふわとろクリーミースクラブ」は、まさにブランドに新たな“扉を開いた”存在です

 柔らかいテクスチャーと甘い香りが特徴のボディスクラブで、ご褒美消費のトレンドもあり、数年前からSNSで好評をいただいており、特に若年層からの注目が高いため若年層にはアプローチする軸の役割を担っています。

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「ダヴ ふわとろクリーミースクラブ」シリーズは、LIPSベストコスメ2024ボディスクラブ部門、Mimi Beauty 2025上半期ボディローション・ミルク・クリーム・スクラブ部門など、数々のアワードで1位を獲得

前納(ユニリーバ):ブランド全体で見ても、ソーシャル投資の判断がより合理的になり、「高単価化(プレミアム化)」への扉が開きました

──オーガニックな形でソーシャルに広がるよう、発売時から意識してコミュニケーションを設計したのでしょうか。

前納(ユニリーバ):高単価製品のため「ただ出すだけでは売れない」と考え、チャネルを限定し反響を得てから、次のチャネルへと広げていくことにしました。美容系インフルエンサーのトレンドセッターの方々から好評価を得られた結果、さらにクチコミが波及。今ではドラッグストアでナショナル展開できるレベルに到達しています。

興味関心から購入意向を高めるMetaのパートナーシップ広告

──ボディスクラブはオーガニックな投稿から広がったとのことですが、そこからさらにMetaの「パートナーシップ広告」を本格的に活用した狙いを教えてください。

小澤(ユニリーバ):ボディスクラブは、若年層にとって使用経験者が多いとは言えないカテゴリーです。加えて、昨今の若年層は日々大量の広告に接しているため「広告を無条件に信頼しない」傾向があると考えています。

 そのため、この製品の特徴をわかりやすく伝え、“自分ごと”化してもらうには、従来のブランド発信の広告クリエイティブとは異なるアプローチが必要でした。

 そこで選んだのが、Metaのパートナーシップ広告です。元々ダヴのスクラブは、一般の方やインフルエンサーの自発的な投稿から広がったため、それをより多くの人に届けるために、オーガニックに近い見せ方ができるこの手法を活用しました。

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出典:ossy_beautylog

──改めて「パートナーシップ広告」について詳しく教えてください。

木崎(Meta):パートナーシップ広告は、インフルエンサーと広告主が協業して配信する広告です。インフルエンサーが作成した投稿を広告として配信し、広告には両者のアイコンが表示されるため透明性が高い点が特徴です。インフルエンサー経由で広がるため、リーチ拡大にも効果的です。

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Meta アカウントマネージャー 木崎紘美氏

木崎(Meta):この広告は、認知から購買まで全ファネルで高い成果が期待できます。認知フェーズではインフルエンサーの拡散力が認知拡大に寄与し、Metaの調査ではユーザーの71%が「インフルエンサーのコンテンツを見て数日以内に商品を購入した経験がある」と回答しています。検討・購買段階でも強い効果が示されています。

Meta主導のワークショップで得たインサイトで広告を展開

──さらなる展開のために、Meta主導のワークショップを実施されたと伺いました。

小澤(ユニリーバ):よりエンゲージメントの高い投稿を作るため、Meta社のインサイトを活用したワークショップをお願いしました。インフルエンサーの投稿活用に取り組む中で、投稿内容がパターン化しがちという課題があったためです。

──ワークショップの具体的な内容を教えてください。

木崎(Meta):主な目的は、Instagramユーザーの膨大な投稿データから「今、日本で最も流行しているキーワード」を探し出すことです。ボディスクラブの主領域である「ビューティー」だけでなく、食品、ファッション、運動系など様々なカテゴリーのキーワードを分析し、ブランドへの新しい入り口を発掘してアイデアを創出しました。

小澤(ユニリーバ):今回のワークショップで発掘されたのが、「ボディケア」から少し離れた「ピラティス」「ヨガウェア」「プレ花嫁」といったキーワードです。「ピラティス」のような「日々の接点」や、「プレ花嫁」のような「特別な日のために」といった多様なインサイトがあることを再認識できました。

──新たな発見に結びついたのですね。

小澤(ユニリーバ):これまでも「関連性がありそう」という感覚はありましたが、客観的なデータはなく、どれに注力すべきかわからなかったです。ワークショップでMeta社から定量的な関心度データをランキング形式で見せていただいたおかげで、選びやすくなりました。さらにエージェンシーの方にもワークショップに参加いただき、クリエイティブへの落とし込みまで一緒に進められたことも良かった点です。

「購買意欲」がカテゴリー平均の10倍リフト

──実際にインサイトを反映させた投稿で、特に反響が大きかったものはありますか?

小澤(ユニリーバ):「プレ花嫁」と「ピラティス」関連の投稿を展開しました。当初は美容以外のカテゴリーのインフルエンサーに依頼すると、ボディスクラブとの関連性が下がりエンゲージメントが取りにくくなる懸念もありました。しかし実際は予想以上に自然な形でコミュニケーションができました。

──具体的な成果を教えてください。

小澤(ユニリーバ):2025年の8~9月に実施したパートナーシップ広告で、「広告想起」「ブランド認知」「購入意向」のリフト値を測りました。

 ワークショップ後のクリエイティブを用いたキャンペーンでは「ブランド認知」と「購入意向」が、カテゴリー平均リフト値の10倍となりました。昨年もブランド認知はカテゴリー平均リフト値の3倍リフトしていたのですが、購入意向がここまで上がったのは驚きでした。

前納(ユニリーバ):経験上、マス広告でこれほどのインパクトを出すには相当な予算が必要です。この予算感で、この結果が出せたのは本当に良かったです。

 オンライン投資が増えてから売上への連動が見えづらい時期もありましたが、このパートナーシップ広告を通じて、ブランド全体の認知度やダヴのブランド力をトラックするスコアも上昇し始めました。これは、私たちが今やっていることの正しさを証明する一番の根拠だと感じています。

木崎(Meta):一般的にファネルの下部になる「購入意向」はリフトを出しにくいのですが、今回は業界平均を大きく上回るリフトが出ています。新しい商品のテクスチャーや使用シーンをインフルエンサーが自身の言葉で伝えたことで、自分ごと化につながったのでしょう。

前納(ユニリーバ):そうですね。製品を見せるなら中の液体を見せる、テクスチャーをすくい上げるなど、トライアンドエラーを繰り返す中で積み上げてきた、非常に細かいラーニングが、今回の高いスコアにつながっていると思います。

パートナーシップ広告は通常の広告と棲み分けるべき

──インフルエンサーとのコラボレーションでは、ブランドの世界観を守ることにハードルを感じる企業も多いと思います。ユニリーバではどのように考えていますか?

前納(ユニリーバ):パートナーシップ広告は、ブランドのトーン&マナーを伝えるのではなく、商品の特徴をユーザーが受け入れやすい形で伝えるものです。通常の広告と棲み分けるべきなので、ブランドガイドラインで細かく指示することはほとんどありません。

小澤(ユニリーバ):もちろんブランドイメージに基づいたアサインを心がけていますが、基本的にはそのインフルエンサーの普段の表現で、オーガニックに近い投稿を最優先にしています。

──最後に、ダヴブランドのマーケティングにおける展望を教えてください。

前納(ユニリーバ):今回の成功をきっかけに、今いるお客様、そして新しい若年層のお客様にも親しみのあるブランドになれるように、ブランドを作っていきたいです。

小澤(ユニリーバ):コミュニケーション領域では、一方的に「伝えたいこと」を発信するのではなく、今後も「コンテンツとして自然に見てもらえる素材」を様々な形で試していきます。

木崎(Meta):Metaとしては、引き続きクライアント様のビジネスをサポートし、広告パフォーマンスを出せる製品を開発していきます。パートナーシップ広告についても、AI投資を続けて精度をさらに高めることに注力します。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Facebook Singapore Pte Ltd

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/01/26 10:30 https://markezine.jp/article/detail/50063