韓国コスメ定着ユーザーはどんな人? 意識と行動から探る人物像
最後に視点を変え、定着ユーザーの考え方や美容意識、行動特性から特徴を深掘りします。
ここでは意識項目ごとに、「あてはまる」「ややあてはまる」いずれかを回答した人の割合を比較して見ていきます。
データソース:SLI-Profiler 2024
まずは定着ユーザーの人となりに関する意識を見てみます。韓国コスメの購入者全体と定着ユーザーを比較すると、「人が持っているものを見ると欲しくなる」「いつも人の目が気になる」といった周囲のトレンドを意識する傾向が比較的強いことが分かります。一方で、「自分らしさにこだわりたい」「人の持っていないようなものを身に付けたい」といった、自分の個性や価値観を重視したいという意識も同時に見受けられました。
韓国コスメの定着ユーザーは、ただ単に流行に流されるのではなく、その中で自分自身の個性や価値観に沿ったものを選び取りたいという傾向がありそうです。
データソース:SLI-Profiler 2024
続いて美容についての考え方を見てみると、定着ユーザーは「口コミサイトをよくチェックしている」や「自分に合う方法・商品を積極的に探している」といった、美容感度に関する意識が高い傾向が見られます。それに関連して、近年の化粧品トレンドである成分志向も特徴として見られるほか、より美容に手をかけたいという意識も高く出ており、美容に関する探究心が強い傾向が現れています。
データソース:SLI-Profiler 2024
さらに、スキンケアの定着ユーザーに絞りスキンケアの購買意識を見てみると、「評判がよいものを使いたい」「高くてもよい商品を使いたい」といった評判や質を重視する項目が高く見られました。また、「使い慣れたものが安心」という保守的な意識が低く、積極的に新しい商品を取り入れる層であることがうかがえます。
また、メーカー・ブランドを揃えたいという意識は低い一方、安ければ良いという意識も比較的低い傾向が見られ、メーカーやブランドに固執せず、「評判や機能性が高く、自分に合うこと」を重視して商品を選択していることが考えられます。
こうした定着ユーザーの行動特性を踏まえると、彼らにとって「韓国コスメであること」は必須条件ではなく、結果として選んだ商品が韓国コスメだったというケースが多いと推測されます。
韓国コスメの定着ユーザーは美容に対する意識が高く、自分に合うものを能動的に選ぶユーザーであることから、「韓国コスメ」という表面的な要素を超え、商品そのものの魅力でユーザーに選ばれていると言えるのではないでしょうか。
さいごに
ここまで見てきた通り、韓国コスメは日本市場において一過性のブームを超え、確実に定番として根付き始めています。スキンケアを中心に依然として市場規模を拡大しており、中高年層も含めてユーザー層を広げているだけでなく、定着ユーザーを着実に増やしている状況です。韓国コスメの定着ユーザーは美容への関心が高く、口コミや機能性を重視して自分に合う商品を能動的に探しているような層であることから、単に「韓国コスメだから選ぶ」ではなく、商品力で選ばれていると考えられます。
しかし裏を返せば、韓国コスメの定着ユーザーは「韓国コスメ」というカテゴリーにとらわれず、純粋に質の良いものを見極めて選ぶ層です。企業としては、こうした美容感度の高い層のニーズを捉え、成分や機能性といった「商品力」で新たな価値を提案し続けることで、今後も市場開拓の余地が十分に残されているとも言えるでしょう。
調査概要
【SRI+(全国小売店パネル調査)】
国内小売店パネルNo.1のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
【SLI(全国女性消費者パネル調査)】
全国の15~79歳の女性約4万人の消費者から継続的に化粧品やヘアケア用品、下着などといった美と健康に関連した買い物情報を収集し、蓄積したデータベースです。
※SLIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター個人を特定できる情報は一切公開しておりません
【SLI-Profiler 2024】
調査対象: SLI対象モニター 15~79歳女性
調査方法: インターネットリサーチ
調査期間: 2024年7月3日~8月23日
サンプルサイズ:32386s
