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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

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なぜ欧米ブランドは「夜」を狙うのか?ナイトタイムエコノミーの現在地と日本の勝機

Bega Cheese「Night Cheese」——“夜の食行動”という新市場の開拓

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出典:LBB Online

 オーストラリアの食品企業Begaが展開した「Night Cheese」は、夜の食シーンを新たな市場として開拓する取り組みである。

 広告の中心にあるのは、“深夜に冷蔵庫を開けてチーズをつまむ”という普遍的な瞬間だ。一見すると小さなアイデアだが、ここには重要な戦略のシフトがある。従来のチーズ広告は朝食やランチ用の料理シーンが主流だった。しかし、Begaは自社調査を通じて、深夜のスナッキング需要が実際に増えていることを確認し、夜という時間帯そのものをプロダクト文脈として獲得しにいった。

 この“時間帯ポジショニング”は日本企業でも応用しやすい。コンビニフードや菓子、冷凍食品など、夜間需要の高いカテゴリーは多い。特に夏は夕食時間が遅くなり、冬は夜の滞在時間が自然と延びる。そこに合わせて、“夜にぴったりの食品”“夜の満足感”をブランドが定義できれば、新しい需要が作れる。夜の行動データを手がかりにプロダクトの文脈を作り直す発想は、今後日本でも確実に求められるだろう。

Morrisons「After Dark Ads」——闇を味方につける、夜専用クリエイティブ

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出典:LBB Online

 英国スーパーマーケットMorrisonsが展開した「After Dark Ads」は、夜になるとクリエイティブが変化するOOHキャンペーンである。

 仕組みはデジタルOOHやライトセンサーを利用し、日中は通常の食品広告、夜間はホラー演出が浮かび上がる(炎、幽霊の手、影など)という二段階構造になっている。

 重要なのは「OOHの価値は夜に最大化する」という考え方をクリエイティブの起点にしている点だ。夜間の光と影は都市の質感を大きく変え、クリエイティブをより“世界観のあるもの”として見せやすい。屋外広告は昼間の視認性を起点に考えがちだが、夜こそブランドの印象が強く残る。これは冬のイルミネーション期だけでなく、夏の夜間体験とも相性が良い。

 日本でも、夜限定で広告が変化するOOH、夜の光と連動する商業施設外壁の演出など、多くの応用が可能である。見せ方を変えるだけで、夜間の消費者体験にブランドの存在感を残せる。

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日本のマーケターが取り組むべき「夜時間帯」戦略

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この記事の著者

岡 徳之(オカ ノリユキ)

編集者・ライター。東京、シンガポール、オランダの3拠点で編集プロダクション「Livit」を運営。各国のライター、カメラマンと連携し、海外のビジネス・テクノロジー・マーケティング情報を日本の読者に届ける。企業のオウンドメディアの企画・運営にも携わる。

●ウェブサイト「Livit」

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/01/30 08:00 https://markezine.jp/article/detail/50194

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