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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

本当に効く、インフルエンサーマーケティング(AD)

花王「THE ANSWER」が初動から売上好調だった理由、待望感を醸成するUGCのティザー戦略とは?

 2024年10月の発売直後から好調な売れ行きを見せ、販売店を継続的に拡大している花王の新ヘアケアブランド「THE ANSWER(ジアンサー)」。累計340万本突破という成功の裏側には、発売前から緻密に設計されたUGC戦略があったという。花王ヘアケア事業部では、先行ブランド「melt(メルト)」で得た知見をもとに、PGCとUGCをフルファネルで組み合わせるマーケティングを磨き上げてきた。「THE ANSWER」は、その集大成とも言える事例だ。本稿では、花王 ヘアケア事業部の君島雄貴氏と、花王のUGC領域をブランド横断で一手に担うウィングリット 川上慶士氏へインタビュー。ヒットの起爆剤となったティザー施策の設計や、薬事遵守と表現の質を両立させる制作体制、PGC×UGCのPDCAの回し方について詳しく紐解く。

想定の2倍の売れ行き&異例のアワード多数受賞を果たした「THE ANSWER」

MarkeZine:はじめに、THE ANSWERのブランド概要やターゲットをお聞かせください。

君島:THE ANSWERは、「花王100年のヘアケア研究からたどり着いた、ヘアケアの答え。」をコンセプトに掲げ、2024年秋に発売しました。新ブランド第一弾の「melt」同様、ハイプレミアム市場への参入を狙ったブランドとなります。

 メインターゲットは30~40代。「誠実でバランスのとれた生活をしたい」というニーズを持つ自立志向の強い方を主なターゲットとして想定しています。花王のヘアケア事業で実践している感性マーケティングで言うと「青の感情」に分類されるブランドです。

感性マーケティングにおけるブランドポートフォリオ(参考記事)
感性マーケティングにおけるブランドポートフォリオ(参考記事

 情報や商品にあふれる社会の中で、どのシャンプー・トリートメントを選べばいいのかわからない、いわゆる「シャンプー迷子」になっている方も多いでしょう。そのような方々へ、長年研究を重ねてきた花王から“答え”を提示したいという想いで「THE ANSWER」と名付けています。

MarkeZine:発売直後から売れ行きが好調だったそうですが、改めて現時点での実績を教えてください。

君島:おかげさまで、2025年12月末時点で出荷本数累計340万本を突破しました。ブランドの計画比で言うと約2倍の数字です。また、ヘアケアとしては非常に多くのアワードを受賞させていただいたことも、THE ANSWERならではの成果ですね。

花王株式会社 グローバルコンシューマーケア部門 ヘルスビューティケア事業部 ヘアケア事業部 君島雄貴氏
花王株式会社 グローバルコンシューマーケア部門 ヘルスビューティケア事業部門 ヘアケア事業部 君島雄貴氏(※所属・肩書はインタビュー当時のもの)

 たとえば、「@cosmeベストコスメアワード2025 上半期新作コスメ」では、メイクアップやスキンケアなどを含めた全ジャンル、全アイテムの中で総合大賞をいただくことができました。花王に限らず、シャンプー・トリートメントが総合大賞を獲得するのは初めてのことだったそうです。なお、同アワードのベストヘアケア1~3位は「THE ANSWER」が独占しています。加えて、日経トレンディ「2025年ヒット商品ベスト30」の7位に選出されるなど、経済トレンドとしての注目も高まった1年となりました。

機能“感”を演出するPGCと、権威性・信頼性を醸成するUGC

MarkeZine:次に、THE ANSWERにおけるマーケティングコミュニケーションの全体像をお聞かせください。

君島:基本的な考え方は先行ブランドである「melt」と同様です(参考記事『なぜ花王「melt」は発売から2年経ってもSNSで話題になるのか?ヒットを支えるUGC戦略を公開!』)。高価格帯の商品である以上は購入のハードルが高いため、PGCとUGCの両方を活用しながら、認知から購入までフルファネルのコミュニケーションを丁寧に設計する必要がありました。

 また、PGCには「ブランドの世界観を伝える」という役割があります。THE ANSWERで表現したい世界観は「機能“感”」や「研究“感”」。THE ANSWERの機能性に自信があることは事実ですが、事実をそのまま伝えるというよりは「こだわっていそうな“感じ”」「技術が詰まっていそうな“感じ”」を直感的に伝えたいと考え、PGCに落とし込みました。

MarkeZine:なるほど。UGC施策は、どのような点を意識して設計されていますか?

川上:はじめは美容の高感度層にアプローチし、徐々に中間度層やマス層へインフルエンサーのキャスティングの幅を広げていくという戦略はmeltと共通です。ただ、THE ANSWERは脂質をシャンプーに配合するという、これまでのヘアケア領域の常識とは異なる新しい技術を採用しています。だからこそ、美容に関心のある方でも、すんなりと受け入れてもらえない、あるいは自分ゴト化が少し難しい可能性がありました。

株式会社ウィングリット 執行役員CBO 川上慶士氏
株式会社ウィングリット 執行役員CBO 川上慶士氏

 そこでティザーの段階では、美容高感度層の中でも特に成分や技術の知識に長けた、YouTuber1人に絞ることにしました。商品の本格的なプロモーションを始める前に、成分や技術に関する情報および認知を広げることにしたのです。

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あえて商品名を伏せ「待望感」を最大化させた発売前のティザー施策

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この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社ウィングリット

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/02/02 10:00 https://markezine.jp/article/detail/50219

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