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MarkeZine Day 2026 Spring

AI時代の「攻め」のMeta活用術(AD)

「最適化スコア」の食わず嫌いは損失。Meta広告の“AI最適解”と「攻め」の運用論

 2025年夏に登場したMetaの「最適化スコア」。アカウントのパフォーマンス状況をAIがスコア化し、具体的な改善提案も行う同機能を、すでに使いこなせているだろうか?「AIは自社の細かなビジネス事情までは汲み取れない」と食わず嫌いのまま放置してしまうのは、大きな機会損失になりかねない。Meta Agency First Awards 2025にてPlanner of the Yearを受賞し、売上拡大を続けるSide Kicksは、本機能を徹底活用して運用の「守り」を自動化。創出したリソースを、クリエイティブの強化やインクリメンタルアトリビューション(純増効果の検証)など「攻めの検証」へ投資し、成果を最大化させている。なぜ今、スコア活用が重要なのか。Meta日本法人FacebookJapan伊東氏とSide Kicks上原氏が、実績数値を交えてAI時代の新たな運用戦略を紐解く。

「最適化スコア」が示すパフォーマンス最大化の最短ルート

MarkeZine編集部(以下、MZ):まずは今回のテーマとなる、Metaの「最適化スコア」がどのような機能なのか、お聞かせください。

伊東:最適化スコアは、広告アカウントの効率性を数値化したものです。キャンペーンの最適化度合いや、効果的なパフォーマンスを出すことができるアカウント構造や設定になっているかを、ほぼリアルタイムで0から100ポイントで表します。

 アカウントの評価だけでなく、具体的な改善提案とその効果予測を数値で示すことで、機会損失を防ぎ、最短ルートでのパフォーマンス向上を支援する機能です。

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「最適化スコア」によるスコア化・改善提案イメージ

MZ:「AIは自社の細かなビジネス事情までは汲み取れない」と懸念する企業・運用担当者もいるのではないでしょうか。

伊東:ご指摘の通り、AIが各社の細かなビジネス事情や意図を完全に汲み取ることは難しいと考えています。そのため、必ずしもAIの提案をそのまま実行する必要はありません。最適化スコアは「最終的な判断は人が行う」ことを前提とした設計になっています。あくまでレコメンデーションとして提供する機能であり、運用担当者がクライアント様のビジネスにあっているのか判断していただきご活用いただきたいと思っています。

 一方で、最適化スコアはMetaの過去の膨大なデータベースや検証を基に、アカウントの状況を把握した上で提案する、精度の高いツールでもあります。「AIに頼っていいのか」と疑問に思われるかもしれませんが、機会損失をなくしてさらに拡大するための機会を見つけるために、まずは一度お試しいただきたいと考えています。

 Metaでは代理店様や広告主様からのフィードバックを積極的に収集し、アップデートも行っており、その精度は日々向上しています。

Facebook Japan Agency Partner 伊東杏菜氏
Meta日本法人 Facebook Japan Agency Partner 伊東 杏菜氏

Metaベストプラクティス実践の成果 最適化スコアで実証

MZ:Side Kicksが支援されている各社のアカウントは、「最適化スコア」リリース当初から平均スコアが非常に高かったとうかがいましたが、何か対策をされたのでしょうか?

上原:最適化スコアに向けた特別な対策を行っていたというわけではありませんが、リリース前から、Meta社推奨のAIを効果的に活用するためのポイントをアカウントごとに照らし合わせ、改善余地がある部分を特定してクライアントに提案し修正するということを継続的に行ってきました。

 最適化スコアは、これまでの取り組みが正しかったことの効果検証をするものとして機能したと考えています。

Side Kicks株式会社 Consultant Senior Leader 上原 廉二朗氏
Side Kicks株式会社 Consultant Senior Leader 上原 廉二朗氏

伊東:Side Kicks様は、昨年から縦型動画、ASC、CAPI(※)といった重要プロダクトの活用強化やその他アカウント設計など、Metaのベストプラクティスに積極的にお取り組みいただいておりました。これらの取り組みによりパフォーマンスを最大化できるアカウント状態となっていたため、結果として高い最適化スコアを自然に獲得できたと考えています。

【用語解説】

(1)ASC(Advantage+ ショッピングキャンペーン)
Metaの最新AI技術をフル活用した自動化キャンペーン。ターゲティング、配信面、クリエイティブの組み合わせなどをAIが全自動で最適化。従来の手動設定よりも効率的に、購入などのコンバージョン(成果)最大化を狙えるのが特徴。

(2)CAPI(コンバージョンAPI)
Webブラウザ(Cookie)経由ではなく、自社サーバーから直接Metaへデータを送信する計測手法。昨今のCookie規制(3rd Party Cookieの廃止など)による計測漏れを補完できるため、正確な効果計測とAIの学習精度向上に不可欠な機能となっている。

上原:実際に、弊社全体として縦型動画、ASC、CAPIの3つの指標の導入率は前年比でそれぞれ伸長しており、それに連動して売上も大きく伸びています。

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縦型動画、ASC、CAPIの導入率と売上の変化(クリックすると拡大します)

スコア80点は「あと20点伸びる」証。機会損失を“伸び代”に変える

MZ:Side Kicksのように既にスコアが高い場合、「もうやることはない」と思われがちですが、Metaとしては、こうした「高スコア」のアカウントに対して、この指標をどのように捉え、活用してほしいとお考えでしょうか?

伊東:最適化スコアはあくまで計測指標であり、現在地を示すものです。そのため、どれだけの拡大機会が残されているのかという点に着目していただきたいと考えています。たとえば80点の場合、スコアとしては感覚的に比較的高く思われますが、「あと20点分の拡大・改善余地が残されている」ということになります。

 また、日々アカウント状況が変わるのと同様に、スコアも変化します。最適なアカウント状態を維持するためにも、具体的な推奨事項も一緒に表示されますので、新たな施策のアイデアとして効果改善・拡大に活用いただきたいと思います。

MZ:Side Kicksでは日々の運用で「最適化スコア」の機能をどう活用されていますか?

上原:まず、運用担当者の意識向上に活用しています。管理画面でスコアが常に見える位置にあるため、「何点なのか」「何が足りていないのか」を毎日意識せざるを得ない状況です。組織を統括するマネージャーの立場としても、非常に管理がしやすくなりましたね。

 今後の活用展望として、クライアントコミュニケーションでの活用も進めています。最適化スコアではAIが予測した改善幅が表示されるため、提案時に提示することで、以前は難しいとされた施策も「数値根拠があるなら、一回やってみますか」というコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。

MZ:代理店は多くの案件を抱えているため、アカウント管理が大変そうですが、Metaとしては、効率化をどのように支援されているのでしょうか。

伊東:一部の代理店様では各アカウント担当者だけでなく、全アカウントのスコアと推奨アクションを弊社の担当者と一元管理し、一緒にモニタリングしています。これにより、代理店様全体でどの項目に改善の余地やインパクトがあるかが明確になり、組織全体の課題が見えてきます。

 最近はAPIも利用できるようになったため、モニタリングをより効率的に行える環境整備も進めています。

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運用の「設定」ではもう差がつかない。AI時代に問われる代理店の真価

MZ:「守り」の部分、つまり日々の設定や調整を最適化スコアに任せることで、実務面やリソース面では具体的にどのような変化が生まれましたか?

上原:最適化スコアにより、これまで対応できていなかった項目も見えてきました。過去の経験値だけで判断していた見落とし領域が発見できたのは良かったと思います。また、これまでASCの比率など各種指標を人力で入力・レポート化していたリソースが大幅に削減できました。

 一方で、これまで代理店として持っていた「設定や調整」に関する競合優位性は、最適化スコアによって標準化されていきます。どの会社も同じ土俵で戦えるようになるため、会社としてはより「クリエイティブ」な部分に力を注いでいきたいと考えています。

 特に動画クリエイティブは、PDCAの速度向上やクオリティの高度化、AI生成技術の登場により難易度が上がっています。ユーザーの気持ちを動かす動画クリエイティブを作るために、しっかりと誰に何を伝えるのか、そのための表現手法を1つのコンテンツ(企画)として作っていくことに社内リソースを集中していきたいと思います。

創出したリソースは「攻めの検証」へ投資

MZ:浮いたリソースで、現在取り組まれている事例をお聞かせください。

上原:弊社ではMeta社と協業して国内外で成果が出てきている検証を積極的に取り組んでいます。最近では「インクリメンタルアトリビューション(純増効果の検証)」をはじめとしたターゲットファネルの拡張に取り組んでいます。

 コンバージョンに近い層は獲得しやすいものの、継続的な獲得は困難です。そこで、商品に興味がなかった人が広告を見て関心を持つような、より広いファネルのユーザーにまで質の高いクリエイティブを届ける取り組みを進めています。

 ミッドファネルで獲得できるクリエイティブを作成し、ターゲットを広げることで、クライアント様の継続的な拡大に貢献できます。

 実際にミッドファネル層のユーザー獲得を効率的に実現できた事例も出てきています。これまでリーチしていたユーザーは飽和状態にあり、何度も配信することでCPMが高くなっていましたが、新しいファネルにアプローチすることでCPMが下がりました。また、コンバージョンリフトの単価も落ちているため、新しいユーザーにどんどんリーチして広告効果も高まり、「広告を打てば打つほど自然にコンバージョンが上がっていく」取り組みができています。

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「インクリメンタルアトリビューション」を活用したパフォーマンス改善事例(クリックすると拡大します)

進化するAIを使い倒す。変化を恐れない姿勢が次の成果を生む

MZ:最後に、最適化スコアを未導入、または活用しきれていない企業・運用担当者へのメッセージと、今後の展望をお願いします。

上原:まずは食わず嫌いをせずに、最適化スコアを使ってみることをおすすめします。プロダクトのアップデートが早い中では推奨にのっとってAIを活用するほうが、基本的に広告効果と比例しやすいと実感しているためです。まずは試してみて、うまくいかなかったことは後から取捨選択すればいいのではないでしょうか。新しいことにチャレンジしていくことが、結果的にクリエイティブな仕事や新しい結果を生み出し、クライアント様への貢献につながると思います。

 Side Kicksという組織には、基本的に新しいものが出たら触ってみる、やってみるという文化があります。今後も新しいことにチャレンジし続けたいです。

伊東:Side Kicks様のように、運用の入札調整やターゲティングといった「守り」の部分は最適化スコアに任せ、人間は「クリエイティブのアイデア出し」や「AIの活用」といった、AIでは賄えない領域にフォーカスすることが、重要であり成果に直結する部分だと感じています。

 「最適化スコア」を信頼して運用を効率化し、浮いたリソースを本質的な価値創造に充てる。そうした「攻め」の運用にシフトするきっかけとして、ぜひ本機能を活用していただきたいと思います。

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Meta Agency First Awards 2025 Planner of the Year 受賞の様子

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Facebook Japan G.K.

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/01/19 11:00 https://markezine.jp/article/detail/50254