信頼を「商談」に変える3つの成功パターン
始動から約2年。現在では7つのテーマコミュニティが稼働し、240社・360名以上のキーパーソンが参加する規模へと成長した(2025年12月末時点)。
特筆すべきは、単なる交流に留まらない具体的なビジネス成果だ。プレゼンテーションでは3つの象徴的な事例が語られた。
- 潜在課題の発掘(セキュリティコミュニティ):異業種・同役職の視点から深い課題を探る場として、約15社の部門長クラスが集うセキュリティコミュニティが機能している。ここでは、同じ目線で本音の議論ができる環境を重視。参加者間の信頼関係のもと、それぞれの立場から潜在的な課題や成功体験を率直に共有し合うことで、顧客の本質的なニーズを引き出している。あるIT企業は、コミュニティでの議論を通じて自社のセキュリティ教育の課題を再認識。NECはそのインサイト(洞察)を営業部門に連携し、具体的な提案へと繋げることで、参加企業の幹部を巻き込んだリレーション構築に成功した。
- 異業種共創による価値創造(関西地域共創プログラム):「共創」を掲げるコミュニティでは、異業種が連携する個別ワーキンググループ活動を行っている。地域活性化をテーマに中学生向けに地域学習プログラムを実施し、地域再生の新たな循環モデル創出を目指し、4社で共同プレスリリースを発信した事例がある。この活動は、NECの教育領域でのデジタル証明書実証にも繋がっている。
- 短期集中での受注(ロジスティクスシェアリング):物流業界の課題である「共同輸配送」をテーマにしたコミュニティでは、ハンズオンや事例共有を集中的に実施。導入イメージを明確化させることで、参加企業のモチベーションを高め、全3回の活動を経て共同輸配送のプラットフォームの正式契約に至った事例も生まれた。
コミュニティを「未来の成長資産」へ
これらの活動を通じて、NECは「信頼(Trust)」という見えない資産を、ビジネス成果という目に見える形に変換するエコシステムを構築しつつある。
同社は今後の展望について、「コミュニティを現在と未来の両軸を支える戦略的資産にしたい」と語る。現在挑戦しているのは、ブラックボックスになりがちな「顧客の熱量」の可視化だ。アンケートや行動データからヘルススコアを算出し、顧客一人ひとりのポテンシャルをデータ化することで、より科学的なアプローチを目指している。
60年の伝統を刷新し、新たな価値創造のために「変革」を選んだNEC。その覚悟が生んだ「BluStellar Communities」は、大企業におけるコミュニティマーケティングの新たなスタンダードとして、日本のBtoBマーケティング界に一石を投じる存在となりそうだ。
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