「リサーチの民主化」が現場の意思決定とビジネススピードを加速させる
浜岡氏は、ユニーリサーチが提供する本質的な価値を「リサーチの民主化」と定義する。
実際、定量調査を重視してきたある食品メーカーでは、市場傾向は掴めるものの、マーケティング設計に必要な「顧客の心理変化」を質的に捉えきれないという課題があった。そこで、現場が手軽かつ安価に「生の声」を聞けるユニーリサーチを選択。リニューアル品のモニター調査とヒアリングを迅速に実施することで、大規模調査前の確度の高い仮説構築に繋げている。
また、あるインターネット企業では、サービスの開発・グロース支援の各フェーズでユーザー調査を徹底している。リリース前から顧客理解を深めてニーズに合致した開発を進めるだけでなく、リリース後も継続的な改善サイクルにリサーチを組み込むことで、最短距離でのグロースを実現しているという。
いずれのケースも、現場の目的に合わせ、スピーディーかつ低コストで調査を実行できるメリットを最大限に享受している。リサーチが「特別な工程」ではなく現場の日常になることで、意思決定の質が向上し、ビジネススピードも飛躍的に高まる。これこそが、企業と市場の双方に利益をもたらす「リサーチの民主化」の真価といえる。
リサーチのあり方を変える「AIインタビュー」
現在、リサーチ領域で大きな注目を集めているのが「AIインタビュー」だ。浜岡氏は、この技術には大きく分けて2つの活用パターンがあると解説する。
1つは、「AIを調査対象(ペルソナ)にする」アプローチだ。SNSデータなどを基に生成AIが特定のペルソナになりきり、人間がそのAIに対してインタビューを行う手法である。これに対し浜岡氏は、「生成ペルソナは現段階では一長一短がある」との見解を示す。AIが作成したペルソナはあくまでAIのシミュレーションであり、消費者の生の声そのものではないからだ。
もう1つは、ユニーリサーチが注力する「調査工程のすべてをAIに置き換える」アプローチである。これはAIが実在の人間に対してインタビューを行うもので、調査設計から設問立案、実査、そして分析に至る全工程をAIが担う。海外ではすでに、工数削減や意思決定の高速化を目的に導入が進んでいるという。
AIインタビューが求められる「3つの本質的な理由」
なぜ今、リサーチ領域でAIインタビューが求められているのか。浜岡氏はその理由として、次の3点を挙げた。
第1に、「ネットにはない独自インサイトの重要性」だ。生成AIやDeep Researchの普及により、ネット上の二次情報は誰でも容易に取得可能となり、もはや差別化の源泉にはなり得ない。その一方で価値が高まっているのが、「AIでも捉えきれない、個人の生々しい心理や行動データ、そしてその裏にあるインサイト」である。実在の個人と向き合い、こうした鮮度の高い情報を発掘することが、今後の商品開発やマーケティングの核になると浜岡氏は指摘する。
第2に、「人手による労働集約型からの脱却」である。従来、リサーチの設計から募集、実査、分析レポートの作成までの一連の工程には、平均で約6週間(※)を要していた。この膨大な手間と時間が、意思決定を遅らせる大きな要因となっていたのだ。ここにAIを適用すれば、全工程を最短1日で完了でき、工数を97%も削減することが可能になる。
※リサーチ会社各社のWebサイトやクライアント企業からヒアリングをしたユニーリサーチ調べによるもの
そして第3に、リサーチ業界の深刻な課題である「回答者の負荷軽減」だ。日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)の調査によると、新規アンケートパネル登録者が1年後もアクティブに活動している割合は、全体でわずか11.3%に過ぎない。特に若年層の離脱は顕著で、10代では5.0%、30代でも11.1%にとどまっている。

回答負荷の高さが「アンケート離れ」や不適切回答を招く悪循環を生んでいる今、求められているのは「フレンドリーで新しい調査体験」であり、その解決策としてAIインタビューが期待されているのである。

