解析システム導入にはビジネス的視点が必要
まず、1つ目の「評価指標の設定と改善アクションの実施」については、ビジネスゴール定義やKPI設定ができず、結果としてデータをどのように改善に活用すればよいか分からないでいる状況が問題だと考えられる。その原因は、解析システムを導入するにあたり、「技術」主導であったことがあげられる。つまり、膨大なデータはとれても、それをどのように活用するかを考えていなければ使いようがない。
水嶋氏は、ここで抜けていた観点を「業種のノウハウ」「ビジネス的な視点」と指摘。そこで、Omnitureは、ビジネス的な視点に基づくコンサルティングという手法を用いつつ、6つの業種別にパッケージ化された「Omniture Fusion」を導入することを提案。正しいKPIを取得し、最も効果の高いWeb解析手法、最適化手法をそのまま短期間で導入できるというわけだ。(関連記事:オムニチュア、業種ごとに最適化されたウェブ解析コンサルパッケージを提供)
また、「複数チャネルに渡る施策の効果測定と全体最適化」「適切なセグメンテーションと効果的なターゲティング」については、シームレスな連携や情報共有が課題解決の糸口となる。例えば、キャンペーンなどの単発ものに象徴されるように、各自のマーケティング施策で得たものを活用しようにも、その時だけ、その人だけ、になりやすい。そうした分断された状況を問題視し、マーケティング施策の効果を向上させるために、より包括的で統合されたアプリケーションスイートが必要だと考えているマーケターは83%*にも上るという。
Suresh Vital Forrester Reseach "The Enterprize Marketing Software Landscape" May 2007
「Omniture Genesis」は、そうしたニーズに応えうるマーケティングアプリケーションの統合システムである。Omnitureと提携しているパートナー各社の40以上ものアプリケーションを、ドラッグ&ドロップとウィザードによって設定できる。ここでデータを交換し、統合されたレポートで効果を包括的に把握でき、解析で得た訪問者セグメント情報をターゲティングとマーケティングに活用することができる。
水嶋氏は、キャンペーン効果をまとめたレポート例を示し、包括的にレポートでみることの意味と価値を説明。アプリケーションを横断して一覧表示されたレポートは、比較も容易であり、単体で見ていた時にみえなかった「傾向」が浮かび上がってくる。効果の高低で手を入れるか、切るか、さまざまな判断が容易にできるようになるというわけだ。
例えば、Omniture Genesisで、ウェブ解析とEメールアプリケーションを連携させれば、ターゲティングとリマーケティングの自動化ができる。具体的には、商品Aを購入した人には、後日関連する商品Bをおすすめするメールが送信されたり、商品Aをかごに入れたまま放置している人には、「今なら10%オフ」というような、購買を促進するようなメールが届くなどである。
こうした作業は、かつては「ご用聞き」が一人ひとりに対して行っていたこと。それをより多くのセグメントに効率的に行おうという考え方に基づいているのである。
なお、前述もしたが、Omniture Genesisはダブルクリック社との連携によって、日本でも10月から提供開始される予定である。水嶋氏は「より多くの日本企業を支援する、マーケティングのテクノロジーパートナーとして貢献していきたい」と展開への意欲を語った。(関連記事:ダブルクリックのEメールマーケティングソリューションがSiteCatalystと連携可能に)
