注目されるJavaScript性能とウェブ標準準拠
ここまでの説明で固有名詞やバージョン番号がたくさん出てきたので、独自でHTMLレイアウトエンジンを開発しているブラウザを一覧表にまとめてみた(表2)。興味深いのは、どのブラウザの名前だけでなく、そこに搭載されているHTMLレイアウトエンジンが注目され、さらにそこに搭載されているJavsScriptエンジンが話題になってきたことだ。
主なブラウザとHTMLレイアウト(JavaScript)エンジン | |||
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ブラウザ | 安定版 | テスト版 | HTML(JavaScript)エンジン |
Internet Explorer | 7 | 8β2 | Trident |
Mozilla Firefox | 3.0.1 | 3.1α2 | Gecko (Tracemonkey) |
Opera | 9.52 | 9.60β | Presto |
Safari | 3.1.2 | 4 Developer Preview | Webkit (SquirrelFish) |
Google Chrome | ― | β | Webkit (V8) |
ブログやニュース記事などでブラウザの性能を比較する際にも、ウェブ標準への準拠を見るACID3テストとともに、JavaScriptのベンチマークテストSunSpiderの結果がよく参照されている。最近では、SafariのSquirrelFish ExtremeがChromeのV8やMozillaのTraveMonkeyより高速だというテスト結果も出ている。


また、JavaScriptベンチマーク自身が乱立の気配もある。SunSpiderは2007年12月にWebKitが公開したが、これに対抗してMozillaのJavaScriptエヴァンジェリストのJohn Resig氏が「Dromaeo」というテストスイートを2008年4月に公開。
一方、GoogleもChromeリリース時に、独自の「V8 Benchmark Suiteを発表している。

JavaScriptをどれだけ速く処理できるか。そしてウェブ標準にどれだけ準拠しているか。この2点が次期ウェブブラウザに要求されるであろうポイントとして注目され、そして各開発元がしのぎを削って改善を重ねているというのが現状のようだ。