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インターネット見聞録

2008年秋、第二次ブラウザ大戦勃発か? もっともっと速くて正確なブラウザを使いたいんや!


次期ブラウザに求められるのは?

 JavaScript性能とウェブ標準という二大指針は、ウェブブラウザはもはや単体のアプリケーションではなく、ウェブアプリケーションを動作させるプラットフォームの一部になるという方向を示している。Chromeにメニュバーやタブバーが最低限しかなく、コンテンツの表示エリアがとにかく広く取ってあるのもそういう意図からだろう。

 まとめると次世代のブラウザが指向している要件は次のようになる。

  • 複雑なJavaScriptアプリケーションでもサクサク動作するスピードと軽快さ
  • ウェブ標準に準拠して書かれていればどんなサイトでも正しく表示する正確さ

 どんな便利な機能が充実していても、この2点がクリアされていなければ次世代のウェブブラウジングには向かないブラウザということになるだろう。思えば、Forefox 3のリリース時にも“こんどのキツネは爆速だぜ!”のキャッチフレーズで、なにを置いておいてもまず「速いキツネ」をアピールしていたのもその傾向の表れだろう。

 そして、マイクロソフトただひとりが、JavaScript処理スピードアップアップ+ウェブ標準準拠合戦から距離を置いているのもおもしろい。IE7に自動更新できるにもかかわらずいまだIE6を利用しているようなライトなネットユーザーにとっては、ChromeやShiretokoが提供しようとするウェブアプリケーション性能は必要とされていないもの事実で、そういったユーザーによってIEの優位は保たれている。

IE8β2でDromaeoを実行してみたところが処理が重すぎたらしい
IE8β2でDromaeoを実行してみたところが処理が重すぎたらしい

 むしろマイクロソフトは(少なくともIE8では)、ウェブ標準準拠も進めてはいるものの、それよりもウェブアプリケーションやuserscriptで提供可能な機能までIE自身に取り込んで、よりリッチなインターフェイスのアプリケーションをユーザーに提供しようという方向のように見える。

 果たして、スピードの向こう側を追いかける新興ブラウザがシェアを延ばしていくのか、それともIEが保守的なユーザーをガッチリとつかむことができるのか。ウェブブラウザをめぐる状況は冬(そして2009年)に向けて、とても興味深い局面にあるようだ。

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この記事の著者

モーリ・タロー(モーリ タロー)

フリーダムなIT系編集者・ライター
90年代半ばからIT系書籍編集者として『FreeBSD徹底入門』『ウェブログ入門』『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』などを手がける。
2008年に独立し、ソーシャルメディア、オープンソース関連を中心に執筆活動を行う。
2012年4月から、株式会社はてな シニア・エディター。

●hatena: http://www.hatena.ne.jp/mohri
●twitter: http://twitter.com/mohri
●Facebook: http://www.facebook.com/imkt5l

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2008/11/28 19:36 https://markezine.jp/article/detail/5547

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