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今日から実践!ユーザビリティ向上ノウハウ

「トップページはFlash!」は単なる迷信 目的に応じた使いわけを

 ユーザーの訪問頻度を考慮したトップページの工夫について、過去の実践メモでは、ニュースサイトを題材に記事の見せ方と本数を取り上げました(ユーザーの訪問頻度を考慮したトップページ設計 2008/5/19)。今回は、企業サイトのトップページ画像の切り替え方法の一例を紹介します。(ユーザビリティ実践メモの中で編集部がチョイスした記事を再掲載しています)

トップページがFlashであることの弊害

 企業サイトのトップページでは、Flashを利用して複数の製品やサービスをローテーションで表示したり、マウスオーバーで切り替えられるようにしたりといったケースが多く見られます。

 この点については、過去に「Flashでの画像切り替えの盲点」として1つの注意点をご紹介しましたが、ユーザーの訪問頻度や滞在時間という観点から、複数の画像を効果的に見せるための別の手法を考えてみることにしましょう。

 ある金融関連企業サイトのトップページでは、ユーザーに複数のサービスを認知してもらうため、複数種類の画像を切り替えながら見せていくようなFlashアニメーションを設置していました。

 ところが、アクセスログ解析データによると、トップページを訪れたユーザーのうち、2枚目以降の画像が表示されるまでトップページに滞在しているユーザーは少数であることがわかりました。

 この結果は弊社で実施したユーザービリティテストでも同様であり、ほとんどのユーザーはトップページの画像が切り替わる前に、下位ページへのリンクをクリックしていました。

 複数のサービスを認知してもらいたいという企業側の狙いは充分に達成できていなかったということになります。

トップページに静止画像を採用

 この改善策としては、Flashの代わりにマウスオーバーを利用した切り替えインターフェイスに変更することが考えられます。ところがこの企業では、それとは異なる方法を採用しました。

 このサイトではFlashの設置を取りやめ、トップページには静止画像を掲載することにしました。画像ファイルを掲載するメリットとして、次の効果があると考えられたためです。

  • 制作・運用コストを抑えられる
  • トップページのファイルサイズを小さくできる
  • Flashのバージョンを考慮する必要がない

 とはいえ、このままでは常に同じ画像が表示されることになるため、次のようなデメリットも生じます。

  • トップページの更新感・新鮮さが出ない
  • 複数のサービスの訴求ができない

 そこでこのサイトでは、ユーザーが一定期間にトップページを何回閲覧したかをカウントし、その閲覧回数によってユーザーに表示する画像を切り替える手法をとることにしました。

 これにより、トップページを初めて閲覧したユーザーには企業として最も見せたい画像を表示して最低限の露出を確保しつつ、複数回トップページを閲覧するユーザーには、異なる画像を閲覧ごとに表示することで、複数の製品・サービスを訴求することができるようになりました。この対応は、LPOツールやレコメンドツールを導入することでも実現が可能となっています。

 Flashは訴求したい情報をコンパクトに表示し、限られたスペースを効率的に利用するための有力な手段の1つではあります。しかし、静的な画像であっても表示方法を工夫することで、効果的な手段となりうるのです。

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この記事の著者

株式会社ビービット(カブシキカイシャビービット)

仮説検証型の独自方法論「ビービットUCD(User Centered Design)」を用いて、ウェブおよび携帯サイトの戦略立案、サイト設計、構築、効果検証を行うインターネットコンサルティング会社。年間1000人を越えるユーザビリティテスト(ユーザ行動観察)やアイトラッキング調査など各種リサーチを実施し、ウェブユーザの心理と行動パターンを分析。サイトの売上向上、コンバージョン率改善などの具体的成果の創出を行っている。詳細はこちらからご確認ください。【書籍紹介】 絶えず...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2008/10/23 12:00 https://markezine.jp/article/detail/5672

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