タッチスクリーン端末が人気の2008年第3四半期
Cnalysの発表によると、2008年第3四半期のスマートフォンの世界出荷台数は3,985万台、前年同期比28%の成長を見せた。スマートフォンは現在、携帯電話市場の13%を占めている。このうち、7月に投入したiPhone 3Gによって、BlackBerryを擁するRIMを抜き、MicrosoftのOSをベースにした端末の全出荷台数も超えて、AppleはNokiaに続く2位に躍進。前年同期比では523%という驚異的な成長を見せた。
しかし、80%以上の成長を示したRIMも見過ごすことはできない。同調査では、BlackBerry Boldの展開に時間がかかったものの、これから出る新製品や同社初の折りたたみ型となるPearl 8220が第4四半期に投入されれば、RIMが2位に返り咲くことは可能だと分析している。
このようにApple、RIM、そして台湾のHTCがスマートフォン市場で躍進したことによって、Nokiaはこの第3四半期にはじめて出荷台数が前年同期比で減少。Nokiaは4年前にタッチスクリーン製品をリリースしていたにもかかわらず、iPhoneの成功に続くタッチスクリーン製品を送り出すのに時間がかかってしまい、その間、Touch Diamondを展開するHTCのようなベンダーの成長を許してしまった。Canalysが2008年の年初に行った調査によると、iPhoneが投入された国の消費者の4分の3がタッチスクリーンを備えた携帯電話に関心を示したという。
トップ5すべてが異なるOSを採用するスマートフォン市場
今回は、トップ5に入ったベンダーがすべて異なるOSを採用している点も興味深い。同調査はこの市場においてはOS開発をどのようにコントロールするかも重要だと分析。Symbianを買収したNokia、Symbian OSから離れてGoogle主導で開発されたAndroidにフォーカスすると発表したMotorola、Android搭載端末として注目されたG1を米英で発売したT-Mobile、そして日本国内でのSymbian OS搭載端末の出荷台数の低下、さらにはAppleに抜かれたもののHTCやサムスンなどのベンダーによって前年同期比でシェアを伸ばしたMicrosoftなど、携帯端末をめぐるOSの勢力争いは混戦となっている。
同調査は携帯端末OSについて、2009年もSymbian陣営がトップになるものの、他のOS陣営との激戦になると予測している。
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