Affiniumを使うことで、短期間で既存データの横断的な分析環境を構築

「MSPは米国発のサービスで、例えば米国ではAffinium(アフィニアム)の半数近くがMSPで導入されています。米国で提供されるサービスとの違いは、データを預かるのではなく、ツールを持ち込んでサービスを提供する点。分析や施策をDaarfが、データの利用環境の見極めや構築をISIDが担当しています」(草野氏:写真右)。
ツールは現在導入済みのものを使うことも可能だが、DB分析ツールとしてAffiniumを、サイト分析ツールとしてサイトトラッカーを使うことで、データ収集と分析作業を大幅に効率化できるというメリットが得られる。また、この2つのツールを使うと、サイトログデータと顧客・購買DBを統合した一貫した分析も可能だ。
「Affiniumは、ODBC接続インターフェイスを持つ既存データベースであれば、各種DBのデータをすぐに活用する環境が構築できます」と、草野氏。そのため、専用データマートを構築してデータベースを統合するといった時間をかけずに、短期間で既存データの横断的な分析環境の構築ができるというメリットもある。
分析を元に戦略・施策を考える
MSPサービスでは、各種データを分析し、その分析結果を基にしたコミュニケーション戦略を立てる。例えば、会員サイトの場合、現在サイトを多く利用している会員の属性やサービス内容・利用状況・閲覧行動を分析し、多く利用しそうな人をターゲットとし、利用率を上げるためのメッセージを送るというひとつのコミュニケーション戦略が導き出せる。同様に、すでに退会した会員の属性や過去のサービス内容・利用状況・閲覧行動・退会理由などを分析して退会しそうな人を明確にし、こちらのターゲットに対しては退会を止めるためのメッセージを送る、というコミュニケーション戦略を立てる。
次に、それぞれのコミュニケーション戦略に対し、カスタマーインサイトマップを作成し、全体最適となる予算・期間・優先順位・それぞれの目標を定義していく。このように、コミュニケーション戦略からマーケティング戦略へと戦略フェーズをあげることで、全体を俯瞰する一貫した戦略を練ることができるようになる。
マーケティング戦略でプランを立てたら、そのプランを実際に実行するために最適と思われる最も効果的で、実現可能なプロモーション施策を複数パターン考える。プロモーションを行った後は効果測定を行い、各戦略をブラッシュアップしてより高い効果が得られる施策を求めていく。このプロモーション施策は、戦略を元に考えられているため、より効果的に全体最適を実現できるのだ。
このような「分析→コミュニケーション戦略の立案→マーケティング戦略の立案→プロモーション施策の立案→実施→効果測定」のPDCAサイクルをすべてDaarfで行い、なおかつ定期的に提案することで、マーケティングを継続的に支援していくのが、MSPサービスだ(施策に関しては、現在施策を実施している企業に継続して依頼することも可能)。このサービスでのゴールは、「最適な顧客に、最適な内容を、最適なタイミングと最適なチャネルで伝える」というライトタイムマーケティングの考え方に基づいて定められていて、より高い効果が期待される。