ナビゲーション的な意味での検索が増加傾向
他、オリンピックの開催期間中に、金メダルなどのニュースのたびにモバイルの検索数が増えるといった例や、先日のサブプライム問題による金融恐慌の際には、モバイルで頻繁に検索され、一旦、落ち着いた時点でPCでの検索に移っていったという例なども紹介された。その際の検索キーワードとしては、モバイルはPCよりもトピックス性の強いものが好んで使われる傾向にある。
さらに、媒体との関係性から、探している情報にたどり着くまでの経路についても興味深い現象が見えてきたという。一般的にWebの導線は、検索ポータルを起点にしていることが多い。しかし、モバイルの場合は、何度も閲覧している場合でも検索ボックスに検索語を入力して閲覧する傾向がある。こうした「ナビゲーション的な」検索と、まったく新規で漠然と検索する場合とを比較すると3:7の割合であり、その3割が徐々に拡大傾向にあるという。事実、モバイルの検索語上位45の中には、「jal」「mixi」というように固有名詞が半分も含まれている。
しかしながら、これまでモバイルにブランドサイトが少なかったことや、「ヒマつぶしツール」として認識され、「出会い」「ゲーム」というような曖昧語が検索に多かったことから、固有名詞によるマッチングが十分対応していなかったという。和久氏は「曖昧なキーワードから、ナビゲーション的検索へと検索連動型広告がパスすることができる」とその有効性を訴求する。
2段階の検索行動が一般的に
さらにSNSやブログ内での検索語の傾向にも触れ、検索ポータルで「ブログ名」で検索したあと、そのブログ内で具体的な芸能人の名前で検索するなど、2段階の検索行動があることを紹介した。また、コマースサイトでは、ほとんど具体的な商品名での検索がほとんであることから、ここでも2段階の検索行動が一般的であることがうかがえるという。今後、こうしたCGMやコマースサイトでの検索は増加の一途をたどり、結果としてより具体的なキーワード検索が増えることが予想される。
今後、オーバーチュアではこうした情報やノウハウの蓄積から、検索連動型広告およびコンテンツ連動型広告の事業を拡充させることによって、ユーザーのモバイルにおけるユーザビリティの向上に努める方針だという。最後に、その施策の1つとして、2008年秋に開始された「インタレストマッチ」が紹介された。和久氏は「コンテンツ連動型広告の進化版。過去に閲覧したコンテンツも考慮に入れた個人の興味関心との一致性が高い広告配信サービスであり、モバイルとの親和性が高い」とその有用性を語った。