激変するモバイル検索キーワードランキング
オーバーチュアが、モバイルでの検索連動型広告を開始したのは2005年。その後2008年までの4年間に渡り、人気検索ワードを調べた調査によると、いくつかの変化や傾向がみられるという。まず1つめは2005年当初には多かったアダルト系の検索ワードが、2007年ころにはほぼ姿を消していること。さらに2007年には、既に複数語の検索ワードがランキング上位に入ってきている。これはPCとほぼ同様の傾向を示しており、むしろその変化の早さに驚かされる。
そして2008年には、新しいトレンドが表出しつつあるという。それは、芸能人の名前や商品名など、明確な検索の意志を持って検索しているキーワードが上位に多数登場していることだ。こうした傾向について、和久氏は、「モバイルが購買やサービス提供のインフラとして認識されてきた兆候」と語る。
順調に成長するモバイル市場
そもそもモバイルは、2007年末で14000万台を突破し、PCの10倍の早さで浸透してきた。普及率についてもPCが70%台のところ、モバイルは90%を超え、テレビのように、ほぼすべての家庭を網羅しつつある。1人1台どころか、2~3台保有する人も増えてきた。しかしながら、アクセス数はいまだPCの方が多い。
しかし「だからこそ市場としてのポテンシャルが大きい」と和久氏は分析し、「インターネットの利用歴が長い人ほど、モバイルでの利用が多いという傾向もある。今後、端末の進化やパケット通信の浸透でその傾向は強まるだろう」と期待を寄せる。また、利用法も「モバイルならではのサービス」を利用する傾向があり、単純にPCからの移動ではないことを示唆する。
果たして「モバイルならではのサービス」とはいったい何か。カギとなるのが検索行動である。和久氏はバレンタインデー、ホワイトデーの検索数を示し、「PCは1カ月も前から一定の検索があり、ピークも前日から当日に渡る。しかし、モバイルはピークが当日でしかも急激に上がっていることがわかる。そこから、はやめに準備をする人はPC向けに、当日慌てて探す人はモバイルにという傾向があることが明白だろう」と解説する。