メールマーケティングが有効な3つの理由
1999年設立のエイケア・システムズは、アマゾン、ホットペッパー、リクルート、ぴあ、サントリー、富士フィルムなど、コマース系のサービスを中心に1600以上の企業にメール配信システムを提供し、ASPサービスでは月間5億通の配信がされているという。北村氏は、同社の強みはモバイル向けの配信と機能だとし、モバイルメールマーケティングについての解説を行った。
北村氏はまず「メールマーケティングの有効性として」以下の3つの特徴を解説した。
プッシュ型で情報伝達が可能
1点目は「プッシュ型」の情報伝達ができることとし、特にモバイルの場合は即時性を生かした情報を伝えるときに非常に大きな威力を発揮するという。
ユーザーとの距離が近い
2点目は「ユーザーとの距離感が近い」ことで、プライベートなコミュニケーション手段の場を活用した、稀有な情報伝達手段とした。ともすれば迷惑がられるというリスクはあるものの、適性な運用をすれば大きな効果が期待できると解説した。
保存される
3点目の特徴は「保存される」ことで、ほかの広告手段と違ってユーザーの携帯電話内に保存され、あとから参照してもらえることも有効だと語った。
デコメ活用で効果を高めるための4つのノウハウ
こうしたメールの有効性をモバイルマーケティングでさらに高めるのがデコメであり、コマース系をはじめ、エンターテインメント系の企業が積極的に活用しているという。北村氏は、そんなデコメを使って効果を高める4つのノウハウについて語った。
「読ませる」のではなく「見せる」ことを意識
ホットペッパーのデコメを例に、テキストメールとの対比で解説した。テキストの場合、「美味しいウニイクラ丼」といった文章で訴えかけるしかないが、写真を使ったデコメの場合、視覚的に訴えることができるため、効果が高まるという。
「読みやすさ」を追求する
テキストメールの場合、本文中にアクセス先のURLなどの記載があり、ひと目でどんなことが書かれているか分かりにくい場合がある。デコメならURLの表記はせず、罫線などで情報を整理してかつカラフルにすることで読みやすくできるとした。
「クーポン」として活用する
サイトに誘導するツールとしてではなく、画像を使い装飾を施したデコメなら、クーポンとしての価値を持たせることができる。これは「保存される」というメールの特徴を活かした好例だとした。
メールとサイトの垣根をなくす
サイトに誘導するメールの場合、サイトと同じ体裁のメールにしておけば、ユーザーがサイトにアクセスする敷居が低くなり、非常に訪問率を高めるのに有効だとした。携帯の場合はブラウザーでサイトを見るときとメーラーでデコメを見る時は視覚的な差というのはほとんどないため、ぱっと見にはメールだかサイトだか判断がつかない。同社の顧客が実際に活用した動画サイトの場合、デコメを送信した場合は、動画の配信数が数十倍に上がったという。