アクセス解析におけるアクセス元の見方
IPアドレスとホスト名の関係がわかったところで、アクセス解析結果におけるアクセス元の見方を考えて行くことにします。一般的なアクセス解析ツールにおけるアクセス元のレポートの例を図3に示します。
ocn.ne.jp 7.54%
bbtec.net 5.29%
dion.ne.jp 4.34%
plala.or.jp 3.52%
so-net.ne.jp 3.47%
ucom.ne.jp 2.85%
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この例では、アクセス元として最も多いのは「ocn.ne.jp」からのアクセスだということになっています。といってもこれは「ocn.ne.jp」というホスト名からのアクセスがたくさんあった、ということではなく、たとえば「○○○.ibaraki.ocn.ne.jp」や「○○○.tokyo.ocn.ne.jp」といったようなホスト名からのアクセスをすべて集計したものです。
ホスト名の右側、この場合は「ocn.ne.jp」は組織ごとに決まるドメイン名になっています。これは「独自ドメインを取得する」といった場合のドメイン名です。「ocn.ne.jp」はNTTコミュニケーションズのプロバイダである「OCN」を表すドメイン名であり、このドメインが右側につくホスト名はすべてOCNを利用してインターネットに接続しているコンピュータからのアクセス、ということになります。
上記のようなアクセス元の集計レポートでは、個々のホスト名で集計してしまっては結果が細かくなりすぎて意味をなさなくなってしまうことから、ホスト名から組織を現すドメイン名だけを切り出して、それを集計しているわけです。したがって、この結果からわかるのは、アクセス元として多いのがどんな組織からか、ということになります。
上記の例の場合では、1位はOCN、2位の「bbtec.net」はYahoo! BB、3位はDION、4位はぷららと、大手のプロバイダの名前が並んでいます。プロバイダの場合は、誰か個人が自分の家などからアクセスしたきたもの、ということしかわかりませんが、たとえば「tsukuba.ac.jp」だったら筑波大学のドメイン名ですから、筑波大学の学生や職員、先生などによる筑波大学内からのアクセスだと考えられます。「sony.co.jp」だったらソニーの社員やその関係者からのアクセスでしょう。このように、ドメイン名の集計から、アクセスしてきた人の属性をある程度垣間見ることができます。