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インターネット見聞録

「続きはテレビで!」の衝撃
古田敦也×野茂英雄の記念番組が生んだ「続きは○○」の新境地


ウェブは視聴率に貢献したのか?

 肝心な視聴率だが、関東地区で6.3%、関西地区が7.4%。30代後半以降の男性(M2、M3)の視聴率が特に高かったという。この視聴率にウェブがどれだけ貢献できたのか、という少し意地の悪いことも聞いてみた。

 「ウェブだけで視聴率アップに貢献できるかどうかは、現実的には厳しいかもしれません。ただ今回であれば、スポーツが好きな人、野茂のような生き方に共感する人という絞られたターゲットに対しては魅力的なコンテンツだったと思います。番組自体もそういうターゲットを意識して制作されていますし、ウェブはそこをさらに深堀したという役割で、その意味では成功だったと思います」(横尾氏)。

 最後に「放送と通信の融合」というキーワードでコメントをいただいた。ライブドアとフジテレビの問題が起きたころは、放送とインターネットは犬猿の仲だったが、いまではお互い相手が気になりつつ様子をうかがっているようなツンデレの状況のように見える。そういった状況を、生粋の放送人である横尾氏はどう見ているのだろうか。

 「放送局の立場では、いかに通信の会社、人材とパートナーシップを築くかが大切です。『たくさんの人に知ってもらうこと』は得意なテレビ局ですが、ターゲットに合わせた広告、コンテンツの配信は現状では苦手な分野です。両方が合わさって強力な広告媒体となります。しかし、そのあるべき姿は暗中模索といった状態です」と語る。そのような中でも、横尾氏にはひとつの方向性が見えている。

 「キー局とは立場が違う関西ローカル局として、コンテンツ制作力と共に、その地域の信頼されるメディアとしてのブランド力が重要になってくると思います。番組を作って放送するだけという時代ではなくなりました。番組を作って、どう回収するか、そのプロセスでどことパートナーシップを築くのがいいのか、そういう判断で向き合っていくのではないかと思っています。競合する面もあり、一方でビジネスパートナーにも成り得るので、融合などという簡単な関係ではないと認識しております。あくまで個別の会社なり人材とビジネスとして向き合うということです」

 「ネット」「テレビ」とひとくくりに持ち上げたり貶したりするのではなく、個々のプレイヤーを見定めながらお互いの利益を見いだしていくという現実的な局面を迎えているのだろう。

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モーリ・タロー(モーリ タロー)

フリーダムなIT系編集者・ライター
90年代半ばからIT系書籍編集者として『FreeBSD徹底入門』『ウェブログ入門』『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』などを手がける。
2008年に独立し、ソーシャルメディア、オープンソース関連を中心に執筆活動を行う。
2012年4月から、株式会社はてな シニア・エディター。

●hatena: http://www.hatena.ne.jp/mohri
●twitter: http://twitter.com/mohri
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MarkeZine(マーケジン)
2009/02/10 14:49 https://markezine.jp/article/detail/6529

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