「読んでもらえるメール」を書く心得とは
ここまで紹介したメールを見て、「うちはどんな内容でメールを送ろうか?」と考え始めた方もいらっしゃると思います。しかし、それを考える前に、ひとつしっかりと認識しておくべきことがあります。それはアフィリエイトに限らず、メールマーケティングを行う上での基本的なことですが、「読みたい!と思える内容が含まれていないメールは見向きもされない」ということです。
アフィリエイトに積極的に取り組んでいるサイト運営者は、比較的ネット利用度の高い人たちです。彼らのもとには、一般のインターネットユーザ以上に、大量のメールが日々配送されています。たとえば、アフィリエイト・プログラムに参加しているサイト運営者の中には、100社以上のECサイトと提携している人もざらです。仮にそれらの企業が週に1回メールを出すとすると、それだけで1日あたり約20本のメールが来ることになります。ASPも3~6社に参加している人が大半と考えれば、そこからはさらに毎週何本ものお知らせメールが配信されます。もちろん、アフィリエイト以外のメール受信も一般の人より多いでしょうから、はっきりいってメールが雨あられのように降ってくる状態なわけです。
あまり喜んで読んでもらえないメールを、ちょっとでも、スクロールまでしなくてもいいから15行だけでも読んでほしい、そんなときにはどうすればいいのでしょう?
アフィリエイトサイトが知りたい情報
答えはシンプルです。
「(受け手が)読みたい内容」を送るよう心がけること。
ECサイトもアフィリエイトサイトも、より多くの成果をあげて収益につなげたいという思いは共通です。そうであるなら、基本的には「読んでほしい内容=読みたい内容」になるはず。しかし、実際にはここで多少のズレが出てきます。たとえば、ECサイトが新製品の認知度をアップしたいと考える場合、まださほど販売実績はあがっていない商品も、多くのアフィリエイトサイトがリンクしてくれることを期待し、新製品が登場するたびに「新製品登場」とメールを送信することは大いに考えられます。しかし、アフィリエイトサイトが知りたいのは、「実際に売れている定番商品」の情報かもしれないのです。
この場合のひとつの解決法は、「今注目の売れ筋商品」を紹介するコーナーを作ると同時に、「新商品紹介コーナー」も設けること。もしその商品が紹介されているニュース記事などあれば、そのURLもつけ、どんな人をターゲットとした商品なのか、また担当者としての思い入れなどを書いてみてもいいでしょう。「読んでほしい内容」と「読みたい内容」を上手に組み合わせると押し付けがましさも薄れます。また、アフィリエイトサイトから見ても、担当者の誠意とやる気が感じられるメールとなります。
メールの量はほどほどに
もうひとつ大事なのは、「アフィリエイトサイトにとって価値の小さな情報は送らない」という姿勢です。メールは何度送ってもコストは同じ。本数制限なくメール送信できるASPもあります。じゃあ、とりあえず送っておくかとばかりに、エンドユーザ向けの特売告知メールの冒頭部分だけ付け替えて、提携サイトに送信しているECサイトも多いようです。もちろん、その特売が非常に魅力的なキャンーン企画で、アフィリエイトサイトがそれを見て、あわてて自分のサイトのトップページを書き換えるような内容であれば話は別です。しかし、興味をひかれないようなメールを大量に送れば、本当に重要なメールすら見てもらえなくなります。「ほどほど」にしておくことは大切です。
新しいバナーの紹介にしても、「新しいバナーを追加しました。管理画面にログインして見てください」では少々不親切ではないでしょうか? 貼り替えるかどうかはともかく、とりあえずどんなバナーなのか(貼り替えるべきものかどうか)見てみたい、というニーズは容易に想像できます。しかし、だからといって、バナー画像のURLをずらりと並べたメールを送られてもクリックの手間がかかるだけ。それよりも、新しく追加されたバナーを一覧で見ることができるページをひとつ作り、そのURLを1行だけメールに挿入するほうがスマートですし、アフィリエイト側から見れば「ワンクリック」の手間で済むので便利です。
このように、ECサイトのほんのひと手間で、アフィリエイトサイトの作業効率が格段にアップすることも多いのです。