お題2:どうやってデータを取る/必要なデータは何?
このお題については、Q&A方式の議論になりました。以下、ご紹介していきます。
Q:現在取得できるデータのソースは?
まずは現在取得できそうなデータを洗い出しました。
- Radiant6、Nielsenなどのソーシャルメディアツールからのデータ
- ログデータ
- サードパーティのデータ
- パネルデータ(接触対非接触の効果の差をみるため)
- RSSフィード(RSSBurnerなど)
- ユーザーからの入力あるいは申告情報
- その他各種オフラインデータ
- フォーカスグループ
- ブランド検索ワード数・検索頻度・内部検索結果
ただ、これだけは足りないため、広告出稿先(SNSサイト)からの情報提供が需要という
意見もありました。
Q:誰がSNSサイトに対してデータを求めるのか?
この問いに対しては、例えばOmnitureのようなアクセス解析ベンダーという答えもありましたが、結局、影響力を持っているのは広告主です。広告主がより深い分析を行い、効果をあげるために、こういう情報が欲しいということをSNSサイトに訴えていく必要があるという意見がでました。
Q:何を「効果」とみなすか?
この問いに対しては、以下の回答がありました。
- サイトへのエンゲージメント(興味関心)
- サイト内アクション(購入・リード獲得)
- メディア系のサイトの場合はPV/UU/クリックスルーなど
- ユーザーの「情報」取得。例えば、会員登録/フォーム入力/あるいは単純に来訪によって得られる情報など
SNSサイトからの情報があれば、これらの効果はより高めることもできるので、その取得のために投資する事も現実的という意見がありました。
Q:SNSサイトから具体的な欲しい情報とは?
この問いに大しては「属性と属性の組み合わせ」が欲しいという意見が大半でした。例えば、「閲覧のみする人」「コメントのみする人」「日記を書く人」などです。
ユーザーをセグメントできる情報を付加した形で、サイトに来てくれるのが理想ですが、サイトに来なくてもSNS内だけで効果を返すこともできるという意見もありました。
Q:パネルサイト(日本で言うVRIとか)から具体的に欲しい情報とは?
この問いに対しては、調査対象パネルの属性(性別・興味の割合、興味の関連性)と分析結果という答えでした(現状パネルサイトはパネル数が足りないという意見も)
日本の例で言えば、価格.comのデータ、mixiのデータ、自社サイトのログデータ、はてなブックマークのデータ…など、それぞれの情報を一緒にする事が出来れば、かなり細かい分析ができます。ただ、細かすぎる分析には意味がありません。細かすぎる分析はビジネス判断に良い影響を与えないということも肝に銘じておくべきです。
お題3:ベンチマーク
SiteCatalystがいろいろな会社のサイトに入っているので、各業種ごとの流入元ベスト10といったような、自分のサイトの出来を他と比較できるような情報が欲しいという意見がでました。また、どれくらいの「何」があったら、そのSNSあるいは個人をインフルエンサーにするのか? などの基準が曖昧なので、そのあたりも整理したいという声がありました。
お題4:ソーシャルメディアに対するコストとリスク
ベンチマークをもとに正しい判断をできるようになることが前提ですが、インフルエンサーに対して「費用を払って宣伝してもらうべきなのか?」「その場合のメリット・デメリットと払うコストは」(こないだの日本グーグルがPageRank下げられたというような事件もありましたし)という事を明確にする必要があるでしょう。また、特定のジャンルに関するユーザーの声を元に、どこまでビジネスの判断をしていいのか? 100コメントあっても、書いている人が5人だったら、その5人は分析対象グループを「代表」する特徴があったと判断してもいいのか? などの議論がありました。
というような議論を延々何時間もしてきたわけですが、いかがでしたでしょうか? 自分としては、非常に有意義な議論が出来たかなと思っています。このMind Meldを通じて感じたのですが、日本でもこういった議論を積極的に行っていくべきでしょう。米国ではWebAnalyticsAssociationという団体が、その役割を担っており非常に強力なコミュニティが形成さています。
既に日本でもいくつか開催されていたり、そういった動きが今後もありそうですが、こういった動きをさらに加速し、まとめるためにも、私自身もそれらに参加したり、あるいは自分が主催したりして一躍買う事が出来たらと考えています。また別途、本サイトあるいは自分のブログで告知できればと考えておりますので、その際はよろしくお願いします。